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「問い」で組織を変える、リーダー開発の手法とは

2018年1月に NewsPicks に掲載された記事を許可を得て転載しています。

「問い」で組織を変える、リーダー開発の手法とは
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GEのジャック・ウェルチやFacebookのザッカーバーグなど、世界の名だたる経営者だけでなく、日本でも組織開発や自身のリーダー開発に「エグゼクティブ・コーチング」を活用する経営者が増えている。それは、コーチング独自の「問い」によって組織に対話が生まれ、イノベーションや生産性の向上に結びつくことが期待されているからだ。組織の成長を急加速させるコーチングとその未来について、150人のプロコーチを有するコーチングファーム、コーチ・エィの栗本渉氏に話を聞いた。栗本氏は、主に経営者や組織のリーダーを担当する「エグゼクティブコーチ」である。

質問で「視点を変える」エグゼクティブコーチ

「コーチング」とは、もともとアメリカで生まれた人材開発の技法のこと。コーチがクライアントと対話をし、問いを投げかけ、質問に答えていく過程で、クライアントの視点が変わり、物事の輪郭がはっきりします。

その結果、発想が膨らみ、行動を起こせるようになる、というのがコーチングの基本的な流れです。

コンサルティングとの違いについて質問を受けることがよくありますが、コーチングとコンサルティングとの大きな違いは、その「目的」。コンサルティングが問題を解決するものだとすると、コーチングは「問題解決する人を開発する」というところに焦点が置かれます。

企業の経営者や管理職に対して1on1でさまざまな「質問」を投げかけて、対話をする。それを専門的に行うのが「エグゼクティブ・コーチング」です。

めまぐるしく変化し、さまざまな事象が複雑に絡み合う過酷なビジネス環境の中で、エグゼクティブにとって意思決定の難易度はますます高まっています。

過去のマネジメント経験や経営戦略の知識よりも、組織の顕在化していない問題をいち早く見つけて解決できる能力が問われています。

経営をドライブするエグゼクティブは、組織が大きくなればなるほど孤独な立場にならざるを得ません。トップに近づけば近づくほど、自問自答が必要になってきます。

そこで私たちコーチのようないわば"質問のプロ"が外側にいると、自問自答の速度、深さ、幅が広がります。

社員のパフォーマンスを最大化させる「機能的な組織」づくりを担うリーダーを対話によって生み出すのが、私たち、エグゼクティブコーチなのです。

相手は変えられないが「関係性」は変えられる

現在、私たちは積極的にグローバル展開を推し進めており、日本語のほか、英語、広東語、北京語、タイ語でサービスを提供しています。その展開における主なクライアントは、海外に進出し、ビジネスを展開している日系企業です。

海外拠点を率いるリーダーたちは、日本の本社との連携や現地スタッフのマネジメントなどに加え、ビジネス環境の急速な変化の中、業績の向上に向け、さらに迅速かつ適切な意思決定を日々求められるようになってきています。

そうした背景から、彼らを対象としたコーチングのニーズは拡大していることを実感します。

私も、日系企業が買収した米企業のトップのコーチを担当させていただいたことがあります。買収後のマネジメントのために本社から派遣された優秀な方でしたが、買収された側の幹部は彼を警戒し、双方の覇権争いのような状態が生じました。

買収を成功させるためには、その幹部たちとの関係構築は必須条件です。しかし、打つ手、打つ手が逆効果となり、どこから手をつけていいかわからない状態になっていました。

「彼らは、あなたにどんなことを期待しているのでしょうか?」

私がそう尋ねると、「わからない」という答えが返ってきました。

そこで、まずは幹部たちから、彼にどんなことを期待しているか、何をしてほしいと思っているのかというフィードバックを聞くことにしました。

とはいえ、信頼関係のない中で突然フィードバックを求めても、逆に不信感をもたれる可能性があります。そこで、彼がフィードバックを必要としている背景について、まずは全員にメールを送りました。

「自分のこれまでのやり方ではうまくいかないということはよくわかっているが、どうしていいかわからない。ぜひ助けてほしい。私にどういうことを期待しているか、どうなってほしいと思っているのか教えてほしい」

彼が綴った正直な気持ちは、フィードバックを求めるという行為以上に、幹部たちの彼への信頼感に影響を与えました。

「そんなふうに思っていたとは知らなかった。ぜひ力になりたい」

という声が次々と届いたのです。

米国企業の幹部たちと彼との関係はそこから大きく変化し、合併後の統合に向けて、大きく前進を始めました。

その企業が変化を遂げていく様子は、エグゼクティブ・コーチングの価値と必要性についての大きな説得力となり、親会社である日系企業の経営陣に対するコーチングもスタートしています。

このように、グローバルな関わりの中で、広く企業の経営に影響していくことができるコーチという仕事は、非常に魅力的で、今後も大きな可能性があると感じています。

「関係性」の変化がもたらすビジネスインパクト

人は、「関係性」の中に存在しています。コーチ・エィのコーチングは、組織における関係性にフォーカスし、組織全体を変えていくアプローチをとっているところが特徴です。

組織のリーダーは、社員それぞれの能力や業績、モチベーションに直接働きかけようとしがちですが、コーチ・エィのコーチがクライアントに働きかけるのは「社員間の関係性にもっと注力すること」。社員と社員の関係性はどうなっているか、そしてリーダー自身と社員たちの関係性がどうなっているか。

リーダーが相手との「いまここ」での「関係」に目を向け、コミュニケーションに対する認識を変えると、視点が変わります。すると、そこに新しい解釈が生まれ、未来を違った視点から予測できるようになる。

手前味噌になりますが、それがコーチ・エィの持ち味であり、最大の価値とも言えるでしょう。

エグゼクティブ・コーチングにおけるゴールは、「組織におけるビジネスインパクト」。周囲との関係を変えていくことによる組織変革は、企業の経営に想像以上の結果を生み出していると確信しています。

独自ツールで「関係性」を可視化

コーチ・エィのコーチングで、企業のエグゼクティブによりよい経営判断をしていただくために欠かせないものが「エビデンス」です。組織の業績を根底から支えている「人と人との関係性」にフォーカスするために、コーチ・エィ内の「コーチング研究所(CRI)」というデータ専門の部署がITを駆使したツールによって組織の状態を可視化。

リーダーの「関係構築力」は組織や部下の成長と強い相関がある。調査対象/83社143人のリーダー(組織のトップ)の部下1812人、調査内容/Executive Mindset Inventory,7段階評価、調査期間/2011年9月~2016年4月。コーチング研究所調査(2017年)より

組織が現状どれだけ連携を取れているか、エグゼクティブが組織に対して持っている影響力はどの程度のものなのか。役員それぞれに話を聞くといった定性的なリサーチや、アンケートなどの定量的リサーチを実施するほか、物理的な会話量の測定から「つながり」の濃淡を分析し、図にします。これまで約400社、40万人以上のリサーチを実施してきました。

コーチ・エィ独自の調査ツール「Dialogue Assessment for Corporate Governance(DACG)」にて、取締役会の活性度評価、取締役個々人のリーダーシップ、取締役間の対話を測定し、機能状況を診断

コーチ・エィのエグゼクティブ・コーチングでは、目の前にデータを提示しながら、組織の中で何が起こっているかを実際に考えてもらう時間もとても重要な意味を持ちます。

リサーチによって現状を定期的にフィードバックして、未来に向けてどのような状態に変えていくのが理想かを問いかけ、次のアクションへつなげていっていただくための材料にします。

グローバルに活躍できるエグゼクティブ・コーチング

コーチ・エィに中途入社する人の出身はさまざまです。直近1年で見ると、商社、MR、人材、食品......と、業界問わず。しいて言えば、営業出身が多いかもしれません。

コーチ・エィのコーチは全員、コーチであると同時に、コーチングを世界中に広めていくミッションを担っています。人に説明しづらいサービスであり、自分自身がコーチという商品でもありますから、自分のことを堂々とオススメできるような自信も必要です。

また、最終的に組織を変えていくのは「人」だ、という考えに行き着いた方がコーチ・エィを志望するケースが多いです。

私自身、コーチとしての活動を始めてからは、自分に対しても他者に対しても、非常に感度が高まったように思います。というのも、自分の問いによって相手にどう影響を与えているのか、そしてどのように相手の行動に映し出されているのか、について触れるようになったからでしょう。

現在、コーチ・エィには海外拠点を含めて200人ほど社員がいますが、そのうち150人近くがコーチです。このようなコーチングのファームは、世界でも珍しいと言われています。

人とデータとITの技術を用いて開発したシステムを駆使して、大勢のコーチがお客様である企業とともに、変化し、成長していく。いわばコーチ・エィの事業そのものが、大きなプロジェクトのようなものです。

自ら事業をつくっている実感をもてることが、コーチ・エィで仕事をする醍醐味のひとつ。

今後はそれをグローバルに展開していくことを目指しています。

コーチング発祥の地であるアメリカでも、組織視点にたったコーチ・エィのサービスに高い関心が寄せられ、国際的な学会などでも事例を発表しています。アメリカに限らず、中国、ヨーロッパ、どこでも通用する確信があります。

コーチ・エィは、世界各地の拠点で「自ら変革を生み出し、変革を推進するリーダーの創出」を支援しています。新しいチャレンジをしたいという心意気のある方にエグゼクティブコーチとして活躍してほしいと思っています。ぜひ一緒に勝負しましょう。

(編集:奈良岡崇子 構成:朝井麻由美 撮影:渋谷敦志)
NewsPicks Brand Design制作

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