コーチの薦めるこの1冊

本は、わたしたちに新たな視点を与えてくれます。『 コーチが薦めるこの一冊 』では、コーチが自分の考え方や生き方に影響を与えた本についてご紹介します。個性豊かなコーチたちが、どんな本を読み、どんな視点を手に入れたのか、楽しみながら読んでいただけるとうれしいです。


"YES"のススメ(『イエスマン "YES"は人生のパスワード』)

著者:ダニー・ウォレス
出版社:バジリコ
発売日:2009/2/25

3月最後の金曜日。

2回目のプレミアム・フライデーの夜(夕方ではない)、新宿駅からほど近い居酒屋さんで、知り合って8年になる、某金融機関で部長を務める友人のUさんと、1年ぶりに再会しました。

最近の関心事に始まり、お互いの仕事のこと、家族のこと、そして、Uさんがエントリーしている60km(100kmだったか、、、)ウルトラ・マラソン大会のことや、私がエントリーしている富士山一週120kmウルトラ・ウォーキング大会のこと、果てはそれらの大会で完走・完歩するのに備えてのカーボ・ローディング(グリコーゲンを身体に貯蔵するための栄養摂取法)のやり方や、本番中の栄養摂取の考え方に至るまで、3時間くらい、飲みながらたくさんしゃべりました。いい夜でした。

このUさんと、こうして飲むことができているのも、Uさんとの出会いがあったから。そして、出会いのきっかけを作ってくれたのが、ご紹介する、

「イエスマン ~ YESは人生のパスワード ~」

です。


この本に出会ったのは、2009年の夏のある日のことです。その日、私は行きつけの美容室で髪をカットしてもらっていました。カットをしてもらっている間に、たまたま手にとったのが「SPA!」という写真週刊紙。

パラパラとページをめくると、本書を映画化したものを観たライターが、自分も主人公と同じように「イエスマン」を2週間実践した、という体験記事が掲載されているのが目に留まりました。

記事の詳しい内容は覚えていませんが、そのライターが、2週間「イエスマン」となって、勧誘や依頼等の働きかけ「すべて」に「YES」と答え、喜んで行動したという体験記。実際にイエスマンを実行したライターは、途中ひどい目に逢ったものの、「やってみてよかった」とその記事を結んでいました。

「わぁ、なんだか面白そう!」

そう思った私は、美容室でのカットが終わってすぐに、映画の原著であるこの本を、Amazonでオーダー。面白かったので、すぐに読み切りました。

すべてに「イエス」と答えたらどうなるのか? 

この本は、著者のダニーが半年間、いままで「ノー」と言ってきたことすべてに「イエス」と答え続け、行動した体験を綴った記録です。多少の演出はあっても、作り話ではなく、著者が身体を張って実際にやってみた、「ノンフィクション」なのです。

本を読み終えた翌日から、私もイエスマンをやってみることにしました。著者であるダニーは、スパムメールのリンクをクリックしてたくさんのローンを抱える羽目に陥ったり、成りゆきで行ったこともない外国に行き麻薬をやったりと、かなりリスキーなことをやっていましたが、さすがに私はそこまでやれないと思い、仕事関係、友人、そして家族からの直接の依頼に限って、イエスマンをやってみることにしたのです。

仕事上での通常の依頼に応じるのはもちろん、経験の少ない仕事や、しばらくやっていなかった仕事のアサインメントを二つ返事で引き受けてやってみたり、短納期の仕事の依頼を快く受けてみたり、疲れて帰宅した日でも子どもたちが「遊ぼう!」と寄ってきたら一緒に遊び、妻の話にもきちんと耳を傾ける、、、などなど。

この本の著者同様、私も6ヶ月間、実践してみました。


結果、どうだったのか?

まず、仕事関係、そして仕事以外の知り合いが、この6ヶ月で、新たに60人近く増えました。冒頭のUさんとの出会いも、当時社内で新たなアサインメントの提示があり、それを引き受けたことで生まれたものです。もし、イエスマンをやっていなかったら、多忙を理由にそのアサインメントを引き受けなていなかったかも知れませんし、引き受けていなかったら、Uさんとの出会いもなかったわけです。イエスマンをやって知り合った方々とは、Uさんを含め、折に触れて会って話したり、SNSでつながってのやり取りが現在でも続いています。

イエスマンをやったことが私にもたらした最大の収穫。それは、今につながる知人が、たくさんできたことです。

また、当時読んでいた本はビジネス書の比率が高かったのですが、この期間、人から薦められた小説も結構読みましたし、飲みに誘われることが多くなり、結果として行くお店のバリエーションも増えました。出費も少し増えましたが、、、(笑)

さらに、イエスマンをやると、ご機嫌に過ごせるという、発見もありました。もちろん、それまでも、毎日不機嫌に過ごしていたわけではありませんが、すべて「YES」で始めて取り掛かると、何をやっても捗るし、ご機嫌な自分を感じることができました。人は、何かを「やらされる」よりも、自ら「やる」ことを「選択」したほうが、エネルギー高く、ご機嫌に取り組めるものです。YESで始めて、喜んで行動する「イエスマン」を、自分が「選択」していたからこそ、イエスマンをやることが、ご機嫌につながったのだと思います。

まさに、実生活で「YES」効果を実感する毎日でした。

6ヶ月の期間を終えて、現在はイエスマンをやっているわけではありません。ただ、振り返ってみると、やるかどうか決めるときに、まず「YES」を言ってからやり方考えるようになっているような気がします。意識的には、イエスマンの期間は終了しているのですが、6ヶ月の経験は、ものごとに向き合う姿勢に影響を与えたような気がします。

最後に。

実はこの原稿を書くことも、イエスマンをやって引き受けたことの一つです。そして、この「YES」が、この先の自分や、周囲の人たち、そして何といっても Hello Coaching!読者のみなさんに、どんな風に影響するのか? たとえば、この記事を読んだ読者の方が「イエスマン」を試したら、その方の人生にはどんな人のつながりが生まれ、その方の人生にどう影響するのか? ちょっと想像するだけでも、ワクワクします。

「イエスマン ~YESは人生のパスワード ~」は、読んで、そして実際にやってみて楽しめる本だと思います。そして、最初に触れたように、この本はジム・キャリー主演で映画化もされています。本でも、映画でも、ぜひ触れていただければと思います。

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