データは語る

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読者アンケート調査(No.6) 組織風土に関するアンケート調査

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キーワード:組織風土

1. 調査の主旨と概要

1.1. 調査の主旨

本調査結果レポートは「組織風土に関するアンケート調査」をまとめたものです。本調査では、企業等で働く人が、自分が所属する組織の風土についてどのように感じているかを調査しました。

1.2. アンケート調査概要

・調査対象:コーチ・エィ発行メールマガジン「WEEKLY GLOBAL COACH」の読者
・実施期間:2015年4月1日~4月21日
・実施方法:メールマガジンに記載されたURLにアクセスして回答
・調査言語:日本語
・調査機関:株式会社コーチ・エィ、コーチング研究所LLP

1.3. アンケートの回答状況

回答数:233件  無効回答数:24件  有効回答数:209件

1.4. アンケート調査の質問内容

問1. あなたが所属する組織の風土について、各設問別にあてはまるものをお選びください。
(5段階評価)
(1.全くあてはまらない/2.あてはまらない/3.どちらともいえない/4.あてはまる/5.とてもよくあてはまる)
 問1-1.メンバーが多くの提案を行っている
 問1-2.メンバーが、個人個人に与えられた自分の役割を全うしている
 問1-3.メンバー同士が、活発に意見を交換している
 問1-4.メンバーは、違う部署とスムーズに連携している
 問1-5.メンバーは失敗をおそれず新しい方法を試している
 問1-6.職場の上司は、人を育てている

問2. あなたが所属する組織が「継続的に業績を向上させる」ために、最も必要な組織風土を次の中から1つお選びください。
(選択肢:問1-1~問1-6,その他)/選択した理由(任意・自由回答)

問3. あなたが所属する組織は「継続的に業績を向上させる」ための組織風土をどれくらい持っているでしょうか。10点満点で点数をつけてください。/その点数を回答した理由
(任意・自由回答)

2. 回答者の属性分布

回答者の属性分布

3. 質問別集計結果

問1. あなたが所属する組織の風土について、各設問別にあてはまるものをお選びください。(5段階評価)
1.全くあてはまらない/2.あてはまらない/3.どちらともいえない/4.あてはまる/5.とてもよくあてはまる

図1.1 問1の結果(全体:質問別平均スコア)

「問1-2. メンバーが、個人個人に与えられた自分の役割を全うしている」の平均スコアが3.7と一番高く、「問1-5. メンバーは、失敗をおそれず新しい方法を試している」の平均スコアが2.7と一番低い結果となった。この結果より、やるべきことはやっているが、リスクをとって新しい方法に挑戦しているかというとそうではない、という現状が垣間見える。

図1.2 問1の結果(役職別平均スコア比較)

組織(職場)に関するアンケートでは、上位職ほど高い評価をする傾向にあるが、部長と経営層が上位1,2位となる項目が6項目中4項目であり、この調査でもその傾向が伺えた。ただし、「Q1-4. メンバーは、違う部署とスムーズに連携している」においては経営層の得点が一番低い結果となった。部署を横断してマネジメントしている経営層にとっては、もっとスムーズに連携してほしいという期待があり、厳しい評価を回答した人が多かったのではないかと推測できる。

問2. あなたが所属する組織が「継続的に業績を向上させる」ために、最も必要な組織風土を次の中から1つお選びください。

図2.1 問2の結果(全体集計) ※注1

継続的に業績を向上させるために必要な組織風土として、「C メンバー同士が、活発に意見を交換する」を選んだ人が33%と一番多い結果となった。2番目は、「D メンバーが違う部署とスムーズに連携する」で20%、3番目は、「F 職場の上司が人を育てる」で15%であった。社員同士のコミュニケーションを重視している回答が多い傾向となっている。

「C メンバー同士が、活発に意見を交換する」を選んだ人のコメント

  • 専門職集団に陥りがちなテリトリー争いが多く、組織のパフォーマンスの低下を起こしている状態であると考えるため。立場を忘れ目標について活発に意見交換を行う事が新しい価値観を作るために必要と考えた。(一般社員)
  • メンバーのコミュニケーションが円滑に進んでいるチームは、お互いが切磋琢磨し、高い生産性、相互協力、問題解決を実現することができるため。(部長)

図2.2 問2の結果(役職別集計) ※注1

経営層では、「B 役割の全う」と「F 上司が人を育てる」が他の層と比べると大きな割合を占めた。

経営層の回答者数は少ないものの、他役職とは違う傾向がみられる。特に「F 上司が人を育てる」については、経営層は管理職が人を育てることを重要視していることが分かる。

課長・部長は、「C 活発な意見交換」「D 部署連携」の割合が大きく、一般社員は、課長層と傾向が似ているものの、「A 提案をする」「F上司が人を育てる」の割合が課長よりもやや大きい結果となった。

問3. あなたが所属する組織は「継続的に業績を向上させる」ための組織風土をどれくらい持っているでしょうか。10点満点で点数をつけてください。

図3 問3の結果(全体集計) ※注1

役職が高い方が、組織風土に対して高い点を回答する傾向にあった。

3点以下を選んだ人のコメント

  • 皆言われたことにはまじめに取り組むが、平均年齢が高く新しいことを避けるため。(一般社員)
  • 地道な中長期的取組を評価するとは言っているものの、結局は目先の評価が問われている印象が強い。(一般社員)
  • 個人の育成に無頓着。目先の課題解決に追われており、さらにそれが出来る能力のある人をアサインしている。(課長)

4~6点を選んだ人のコメント

  • トップマネジャーはビジョンを語っているが、ミドルマネジャーが責任を取りたがらない傾向がある。部下からの提案はあるが、途中まででうやむやになることが多く、提案自体が少なくなっている。(課長)
  • 1人1人に与えられた役割は全うしているように感じるので。あとは全体としてのまとまった結束力が業績向上につながると思う。(一般社員)
  • 自部署間ではコミュニケーションは良いが、他部署とのコミュニケーションが弱く、発展的ではない(部長)

7点以上を選んだ人のコメント

  • 個々人の意識は高いと考えるが、不安定な組織や環境変化に対して保守的な考え方がまだ根強いと感じる。(課長)
  • 組織変更、チャレンジをトップ自らがおこなっている。(部長)
  • メンバーが発言することを上司が推奨している。メンバーの発言を引き出しにくい人にはマネジャー職ではない処遇を与えるようにしている。毎年職場の風土調査を無記名で実施し、結果をフィードバックし、各職場で内容に対するアクションを取らせている。(部長)

4. 重回帰分析の結果

「問1. あなたが所属する組織の風土について、各設問別にあてはまるものをお選びください。」 と「問3. あなたが所属する組織は「継続的に業績を向上させる」ための組織風土をどれくらい持っているでしょうか。10点満点で点数をつけてください。」 の項目間で重回帰分析を実施

表1 「問1.組織風土の状態(全6問)」×「問3.現在の組織風土の点数」 重回帰分析結果
(目的変数:問3、説明変数:問1) 

項目(問1) 係数 t値 p値
問1-1 メンバーが多くの提案を行っている 0.63 4.87 0.00
問1-2 メンバーが多くの提案を行っている 0.26 2.14 0.03
問1-3 メンバーが多くの提案を行っている 0.08 0.67 0.50
問1-4 メンバーが多くの提案を行っている 0.06 0.50 0.62
問1-5 メンバーは失敗を恐れずあたしい方法を試している 0.22 1.71 0.09
問1-6 職場の上司は、人を育てている 0.53 5.05 0.00

注)小数点第三位を四捨五入して算出

有意確率が5%以下(p>0.05)であり、係数が大きな項目は問1-1と問1-6の2項目であった。この結果より、問3において自組織の風土を高く評価するかどうかは、「問1-1メンバーが多くの提案を行っている」、「問1-6職場の上司は、人を育てている」が特に影響していることが分かった。

5. クロス集計の結果

「問2. あなたが所属する組織が「継続的に業績を向上させる」ために、最も必要な組織風土を次の中から1つお選びください。」 と「問3. あなたが所属する組織は「継続的に業績を向上させる」ための組織風土をどれくらい持っているでしょうか。10点満点で点数をつけてください。」 の項目間でクロス集計を実施。

図4 「問2.継続的に業績を向上させるための組織風土に必要なこと」×「問3.現在の組織風土の点数」
問3の組織風土に対する得点を、下位グループ(3点以下)、中位グループ(4~6点)、上位グループ(7点以上)の3グループに分け、問2で選んだ項目の割合を算出

上位グループでは、「C 活発な意見交換」が40%と多く、2番は「D 部署連携」であった。一方、下位グループでは、回答が偏らなかったものの、「F 上司が人を育てる」が23%で一番多い結果となった。上位と下位で差異があった項目は、C(23% 上位が多い)、E(13% 下位が多い)、F(13% 下位が多い)であった。現状の組織風土を低く評価している人は、他のグループより「E 新しい方法をとりいれる」「F 上司が人を育てる」ということを必要と思う傾向がある。

※注1 小数点第一位を四捨五入して算出しているため、合計数値が100%にならない場合があります。


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