コーチング研究所によるさまざまな調査の結果や、データの分析結果をご紹介します。
読者アンケート調査(No.7) 仕事に関わる変化についてのアンケート調査
2015年12月09日
キーワード:仕事の変化
1. 調査の主旨と概要
1.1. 調査の主旨
本調査結果レポートは「仕事に関わる変化に関するアンケート調査」をまとめたものです。本調査では、企業等で働く人の仕事における変化やその変化への適応度について調査しました。
1.2. アンケート調査概要
・調査対象:コーチ・エィ発行メールマガジン「WEEKLY GLOBAL COACH」の読者
・実施期間:2015年7月15日~8月4日
・実施方法:メールマガジンに記載されたURLにアクセスして回答
・調査言語:日本語
・調査機関:株式会社コーチ・エィ、コーチング研究所LLP
1.3. アンケートの回答状況
回答数:223件 無効回答数:1件 有効回答数:222件
1.4. アンケート調査の質問内容
問1. あなたがこの1年間で体験した「仕事に関わる変化」の中で、あなた自身に一番大きな影響があったものを1つお選びください。
<選択肢>昇進・昇格/降格/部署異動/責任範囲の拡大(役職変更・異動なし)/業務役割の変更
(役職変更・異動なし)/勤務地の変更/上司の異動/同僚、部下の異動/部署の合併、分割
会社の合併、分割/その他/影響のある変化はなかった
問2. 問1で選択した「変化」は何か月前に起きたものでしょうか。
<選択肢>1ヵ月~12ヵ月)
問3. 問1で選択した「変化」に対して、あなたはどれくらい適応し、成果を出せる状態になっているでしょうか。
適応し、成果を出せる状態を100%としたときに、選択肢の中からあなたの状態に一番近いものをお選びください。
<選択肢>十分に適応している(75~100%)/適応している(50~75%)/
やや適応している(25~50%)/あまり適応していない(0~25%)
上記を選択した理由を教えてください。(自由回答)
2. 回答者の属性分布 ※注1
3. 質問別集計結果
問1. あなたがこの1年間で体験した「仕事に関わる変化」の中で、あなた自身に一番大きな影響があったものを1つお選びください。
上位1、2位は、「部署異動」17%「業務役割の変更」16%であり、自分自身に起こった変化であった。3位は「影響のある変化はなかった」で13%。4、5位は「同僚、部下の異動」「上司の異動」と、自分の周囲の人が変わったことと続いている。
問2. 問1で選択した「変化」は何か月前に起きたものでしょうか。
約半数57%の人が、1~4カ月と比較的最近の変化について回答している。
問3. 問1で選択した「変化」に対して、あなたはどれくらい適応し、成果を出せる状態になっているでしょうか。適応し、成果を出せる状態を100%としたときに、選択肢の中からあなたの状態に一番近いものをお選びください。
「十分に適応している(75-100%)」を選んだ人のコメント
- 新しい上司は経歴が似ているため、報告書作成などでの摩擦が減り、信頼を得ることに成功したように思う。(上司の異動/4カ月前/一般社員)
- 業務内容は大幅に変わりましたが、以前経験のあった業務のため比較的早く適応できた。また、成果は実績として出ている。(部署異動/1カ月前/部長)
「適応している(50-75%)」を選んだ人のコメント
- 分社化したことにより、社内での手続き(グループ企業間での契約手続き等)が増えたため、まだ慣れていない部分がある。(会社の合併、分割/3カ月前/一般社員)
- プレイングマネージャーとして率先垂範するスタイルで部下に指導する方法しか身についておらず、更に大局的な観点でのマネジメントを求める上司との期待にギャップを感じているため。(昇進・昇格/3カ月前/部長)
「やや適応している(25-50%)」を選んだ人のコメント
- 日本から欧州へ赴任となり、言語や業務上の習慣の違いにようやく適用できた段階(勤務地の変更/4カ月前/課長)
- 今後も引き続き組織が変わりそうな気がするので、今の組織の形で効率よく成果をあげる方法をあまり考えていないから。(部署の合併、分割/6カ月前/一般社員)
「あまり適応していない(0-25%)」を選んだ人のコメント
- 従来の業務も併せて行っており 従来業務がたてこんでいるため 落ち着いて新しい業務のことを考えられない。(業務役割の変更/2カ月前/一般社員)
- 「何をするか」を具体化できていない。(業務役割の変更/1カ月前/課長)
4. クロス集計の結果
「問1. あなたがこの1年間で体験した「仕事に関わる変化」の中で、あなた自身に一番大きな影響があったものを1つお選びください。」 と「問3. 問1で選択した「変化」に対して、あなたはどれくらい適応し、成果を出せる状態になっているでしょうか。」 の項目間でクロス集計を実施。
「適応している」「十分に適応している」を選択した人の割合をみると、「部署や会社の合併・分割」に関する項目が上位2項目となっている。それに続いて「上司や同僚・部下の異動」が3,4位と続く。上位は、自分自身に起きた変化ではなく周囲に起きた変化に関する項目となった。
「適応している」「十分に適応している」と回答した人が比較的少ない「責任範囲の拡大」「勤務地の変更」「昇進・昇格」は、自分自身に起きた変化の中でも、特に適応していると感じにくい傾向が強い結果となった。
「責任範囲の拡大」や「勤務地の変更」は、上司・同僚・部下などの一緒に働く人や業務役割の変更も付随するため、適応が容易ではないと考えられる。
また、「昇進・昇格」への適応が困難な理由としては、責任範囲の拡大や業務役割の変更が同時におきるためと考えられる。さらに、前任者が元上司であることも多く、その人と比較してまだ自分は適応していないと感じる人がいることも理由の1つと考えられる。
「問2. 問1で選択した「変化」は何か月前に起きたものでしょうか。」 と「問3. 問1で選択した「変化」に対して、あなたはどれくらい適応し、成果を出せる状態になっているでしょうか。」 の項目間でクロス集計を実施。
「1-3カ月」で64%の人が「適応している」「十分に適応している」と回答した。「4-6カ月」「7-9カ月」は少し割合が増え70%程度。「10-12カ月」では76%であった。
これらから、時間が経過することにより劇的に適応する人が増える訳ではないことが分かる。変化に適応するためには、時間だけではなく別の要因が必要であることが伺える。
※注1 小数点第一位を四捨五入して算出しているため、合計数値が100%にならない場合があります。
※営利、非営利、イントラネットを問わず、本記事を許可なく複製、転用、販売など二次利用することを禁じます。転載、その他の利用のご希望がある場合は、編集部までお問い合わせください。