コーチング研究所によるさまざまな調査の結果や、データの分析結果をご紹介します。
約6割の人は、自分を「話しかけやすい人」だと思っている
2019年01月08日
調査の主旨と概要
1.1.調査の主旨
本調査結果レポートは、職場での「話しかけやすさ」に関するアンケート調査をまとめたものです。本調査では、企業等で働く人を対象に、直属の上司やご本人の話しかけやすさについて調査しました。
1.2. アンケート調査概要
調査対象:コーチ・エィ発行メールマガジン「WEEKLY GLOBAL COACH」の読者
実施期間:2018年9月26日~2018年10月17日
実施方法:メールマガジンに記載されたURLにアクセスして回答
調査言語:日本語
調査機関:株式会社コーチ・エィ コーチング研究所
1.3. アンケートの回答状況
回答数:283件 無効回答数:23件 有効回答数:260件
1.4. アンケート調査の質問内容
あなたの直属の上司やあなたご自身の、周囲から見た「話しかけやすさ」についてお聞きします。
日頃の職場でのコミュニケーションを振り返っていただき、率直なご意見をお聞かせください。
あなたの直属の上司について、お答えください。
問1-1あなたの直属の上司は、あなたから見てどの程度「話しかけやすい」ですか。
選択肢の中から最もよくあてはまるものを一つお選びください。
□とても「話しかけやすい」 □どちらかというと「話しかけやすい」 □どちらともいえない□どちらかというと「話しかけにくい」 □とても「話しかけにくい」
問1-2上記を選択した理由を教えてください。 ※任意・自由回答
問2-1直属の上司に対して、業務上の問題について報告をする際のあなたの心情をお聞きします。
選択肢の中から最もよくあてはまるものを一つお選びください。
□全くためらうことはない □あまりためらうことはない □どちらともいえない □ややためらってしまう □非常にためらってしまう
問2-2上記を選択した理由を教えてください。 ※任意・自由回答
あなたご自身について、お答えください。
問3-1あなたは、職場の周囲の人から見て、どの程度「話しかけやすい」と思いますか。
選択肢の中から最もよくあてはまるものを一つお選びください。
□とても「話しかけやすい」と思う□どちらかというと「話しかけやすい」と思う□どちらともいえない□どちらかというと「話しかけにくい」と思う□とても「話しかけにくい」と思う
問3-2上記を選択した理由を教えてください。また、"とても「話しかけやすい」と思う""どちらかというと「話しかけやすい」と思う"を選択した方は、普段から意識していることがありましたら具体的に教えてください。 ※任意・自由回答
問4 あなたは、職場の周囲の人から、あなたへの「話しかけやすさ」について、コメントやフィードバックを受けたことがありますか。
□ある □ない
問4で、受けたことが「ある」と選択」した方へお聞きします。
問5-1あなたの「話しかけやすさ」について、誰から、コメントやフィードバックを受けましたか。
□直属の上司 □同僚 □部下 □その他
問5-2あなたの「話しかけやすさ」について、どのような場面で、コメントやフィードバックを受けましたか。
□業務中の会話 □休憩時間や就業前後の時間 □1対1の面談 □その他
問5-3周囲からみて、より「話しかけやすく」なるために、あなたご自身は何を変えましたか。
選択肢の中から、当てはまるものを全てお選びください。
□表情 □話し方 □立ち居振る舞い □何もかえていない □その他
問5-4具体的に何をどのように変えましたか。より詳しく教えてください。 ※任意・自由回答
2. 回答者の属性分布(n=260) ※注1
3. 質問別集計結果 ※注1
問1-1. あなたの直属の上司は、あなたから見てどの程度「話しかけやすい」ですか。
選択肢の中から最もよくあてはまるものを一つお選びください。
図1. 全体と年代別・役職別の回答分布
全体で最も多い回答は、「どちらかというと「話しかけやすい」」で40%となった。「とても「話しかけやすい」」と「どちらかというと「話しかけやすい」」とで全体の67%を占める。年代や役職による分布の傾向は特にみられない。
「とても話しかけやすい」と回答した人の理由 ※任意回答
<話を聞いてくれる>
- タイミングを図れば時間調整してくれる。まずは話を最後まで聞いてくれるところ。我慢していることが多々あると思うが。
- 基本オープンな姿勢で受け入れ態勢がある。 まずは話を聞いていただけるため。
- 常に傾聴の姿勢があり、壁を感じない。
- 突然、相談に出向いても、笑顔で話を聴いてくれ、自分の提案を否定せず、判断やレスも早い。
- 多くの場合話しかけるとすぐ答えてくれるし、手が離せない場合は「少し待ってね」とこちらの目を見て話してくれるので。
<明るい・フランクな雰囲気である>
- いつもフランク 話しかけて「あとで」といわれたことがない 上司もよく話しかけてくる
- いつも明るく、声をかけてくれる。
- 上司が意識して話しやすい雰囲気を作ろうと努力しているから
- 話かけても嫌な顔をされない。
- 話しかけた際には、同じ目線に立って、回答またはアドバイスをしていただけるから。
<上司との関係性が良好である>
- 嘘をつかない 信頼している
- 互いの業務に対しての共有がされており、相談するうえで状況を理解されているということが前提で話しができるから。
- 上司から仕事以外の内容で話かけてくる。
- 日常的に会話もしているし、「忙しそうだから」と、こちらも躊躇しないので。
- 報連相を行う習慣がある ネガティブ情報も積極的に聞く 日頃の声掛けをよくされている
「とても話しかけにくい」と回答した人の理由 ※任意回答
- 挨拶がない。 会話がない。 なんの説明もなく「もう仕事をしなくていい!」と突然怒鳴られたことがあるので会話する気になれない。
- 威圧的、高圧的、権威的であり、会話についても否定から入る傾向がある事。 時間が取れない、或いは取ってくれず、率直な相談、議論の余地がない。
- 自分の結論に沿わない意見に非常にネガティブな反応を示す。
- 必要以外会話しないから
- 忙しいらしく、話しかけると睨まれる
「とても話しかけやすい」と回答した人の理由は、大きく分けて<話を聞いてくれる><明るい・フランクな雰囲気である><上司との関係性が良好である>の3種類に分類される。部下から「話しかけやすい」と思われている上司は、日頃のコミュニケーションの頻度が高いだけでなく、部下の話を積極的に聞き、信頼関係を構築できていることがうかがえる。
一方、「とても話しかけにくい」と回答した人は全体の6%と少ないが、その理由としては、上司の態度や話しかけた際の反応が、不機嫌・高圧的・ネガティブなど、話しかけやすいと思われている上司とは対照的な印象を与えている。
問2-1. 直属の上司に対して、業務上の問題について報告をする際のあなたの心情をお聞きします。
選択肢の中から最もよくあてはまるものを一つお選びください。
図2. 全体と問1-1、回答別・年代別・役職別の回答分布
<問1-1回答別> (問1-1あなたの直属の上司は、あなたから見てどの程度「話しかけやすい」ですか。)
全体で最も多い回答は「あまりためらうことはない」で41%となった。「全くためらうことはない」と合わせて、全体の71%に上る。問1-1で、直属の上司が「話しかけやすい」と回答した人のほうが、「話しかけにくい」と回答した人よりも、業務上の問題を報告する際にためらいを感じる人の割合が少なくなっている。
「全くためらうことはない」と回答した人の理由 ※任意回答
<問1-1で直属の上司が「とても「話しかけやすい」」と回答した人>
- 問題を聞いてくれる。 問題の解決先を一緒に考えてくれる
- 話をさえぎられることや反対意見をすぐに言われることがないので話しやすい。
- 感情的にならず、報告者を責めるような対応が無いため。
- 報告内容が好ましくない状況で、いわゆる『なぜ5回』が要求されるような場合でも、「なぜ そんなことになった?」という言い方ではなく「何が悪かったと思うか?」という聞き方なので、自分が問われているのではなく"問題"に対して目を向けているように感じられる。
- 信頼されていると感じている為
<問1-1で直属の上司が「どちらかというと「話しかけやすい」」と回答した人>
- 独立業務のため、かなりの責任が自分にあるので結果報告でしかないため。
- こちらの対応に間違いがあれば、正していただいた方が今後の仕事に支障をきたさないし、問題がなければ情報連携・報告と
- なるため。
- 耳に入れておいた方が、よさそうなことを、ありのままを伝えるので、ためらいはないです。
- 正直でいないとこちらのストレスが溜まるので。
- 考え方が全く一緒ではないが、あまり"聞いてくれない"という状態がほとんど無い。
<問1-1で直属の上司が「どちらともいえない」「どちらかというと「話しかけにくい」」と回答した人>
- 業務上必要な事だと割り切っているため。
- 報告は大切な仕事です
- ためらっても解決しない。悪いことはすぐに報告して、一刻も早く事態収束につながる。
- 早く対処したい為。
- それが仕事だから。
「非常にためらってしまう」と回答した人の理由 ※任意回答
<問1-1で直属の上司が「とても「話しかけやすい」」と回答した人>
- 悪い話でも自分の範疇で処置できるならば報告はしたくないのが心情。言いたくないが言わないことで判断を誤らせることになるのはまずいでしょう。問題点は内容をきちんと把握して事実ベースで伝える様に心掛けています。
<問1-1で直属の上司が「どちらかというと「話しかけにくい」」「とても「話しかけにくい」」と回答した人>
- 相談をしても傾聴をしてくれず、即座に上長の意見が表明されるため
- 問8の回答を同じ(上司が非常勤であり、日頃の接触が少ないため、考え方に相違がありそうなので。)
- 否定されることが多いため
- 業務領域に対する理解が無いため、詳細説明に時間がかかる
- 質問や報告すると怒ったり不機嫌になったり、なにがスイッチかわかりませんが、突然豹変するため。
問3-1あなたは、職場の周囲の人から見て、どの程度「話しかけやすい」と思いますか。
選択肢の中から最もよくあてはまるものを一つお選びください。
図3. 全体と問1-1、回答別・年代別・役職別の回答分布
<問1-1 回答別>(問1-1あなたの直属の上司は、あなたから見てどの程度「話しかけやすい」ですか。)
全体では、ちょうど半数の人が自分のことを「どちらかというと「話しかけやすい」と思う」と回答し、「とても「話しかけやすい」と思う」と回答した人と合わせると57%となった。問1-1で直属の上司について「話しかけやすい」と回答した人のほうが、「話しかけにくい」と答えた人よりも自分のことを「話しかけやすい」と思う、と回答した割合が高くなっている。
「とても「話しかけやすい」と思う」と回答した人の理由 ※任意回答
- ①上下関係なく相対する(役職はあくまで肩書きであり、それぞれの仕事の役目であるため) ②同じ目線で相手の目を見てコミュニケーションをとる。 ③相手の意見を理解しようと努め、質問を多用し理解を深める。最後に自分の理解が正しいか確認する。 ④会社方針をそのまま伝えず、自分の言葉に置き換えて、具体的な行動例を交えて話す。 ⑤丸投げせず、要所要所でOJTで進捗を確認する。
- こちらから話しかける。表情に気をつける。
- 情緒面の安定を心がけている。忙しいときは「〇分後なら、時間がとれる」と具体的な指示をしている。
- 日ごろから雑談にも積極的に参加して、コミュニケーションを図るように意識している。
- 話しかけられたら、手を止め、相手に体を向けているから。「話を聞きますよ。」という姿勢を見せているつもり。
「とても「話しかけにくい」と思う」と回答した人の理由 ※任意回答
- ほとんど全員がプロパーで中途入社者がいない当部門では、中途入社者の存在自体が異質の塊であり、予想できない相手と映っていることが容易に想像できます。自分が上司に対して持っている感覚の返しだと思います。
- 周りの「オレ忙しいんだ」アピールや噂話・愚痴に付き合うのもしんどいので、最低限の会話にとどめています。
- 単独での外回りの業務で、会議・打ち合わせが少なく週一の報告程度なので、互いを知らない。また、話す必要性がある報告以外の時間もない。
問4-1あなたは、職場の周囲の人から、あなたへの「話しかけやすさ」について、コメントやフィードバックを受けたことがありますか。
図4. 全体と問3-1、回答別・年代別・役職別の回答分布
<問3-1 回答別>(問3-1あなたは、職場の周囲の人から見て、どの程度「話しかけやすい」と思いますか。)
自身の「話しかけやすさ」についてフィードバックを受けたことが「ある」と回答した人は、全体で47%であった。
問3-1で自身のことを「とても「話しかけやすい」と思う」または「どちらかというと「話しかけやすい」と思う」と回答した人の方が、「どちらかというと「話しかけにくい」と思う」「とても「話しかけにくい」と思う」と回答した人よりも、フィードバックを受けたことのある割合がやや高くなっている。役職別では、ポジションが高くなるほどフィードバックを受けたことのある割合が高くなっているが、企業で働いている期間が長いほど、フィードバックを受ける機会が多くなっていると思われる。
問5-1あなたの「話しかけやすさ」について、誰から、コメントやフィードバックを受けましたか。 ※複数回答可
図5. 全体と問3-1、回答別・年代別・役職別の回答分布
<問3-1回答別>(問3-1あなたは、職場の周囲の人から見て、どの程度「話しかけやすい」と思いますか。)
全体では、部下からのフィードバックを受けたことのある人が75%となり最も多い。直属の上司や同僚からのフィードバックは、それぞれ33%、44%と比較的少ない。
問5-2あなたの「話しかけやすさ」について、どのような場面で、コメントやフィードバックを受けましたか。 ※複数回答可
図6. 全体と問5-1回答別・年代別・役職別の回答分布
<問5-1回答別>(問5-1あなたの「話しかけやすさ」について、誰から、コメントやフィードバックを受けましたか。)
コメントやフィードバックを受けた場面は、全体では「業務中の会話」「休憩時間や就業前後の時間」「1対1の面談」のいずれもほぼ同じくらいの割合となった。「直属の上司」からのコメントやフィードバックは「1対1の面談」が60%とやや多くなっている。
問5-3周囲からみて、より「話しかけやすく」なるために、あなたご自身は何を変えましたか。選択肢の中から、当てはまるものを全てお選びください。
図7. 全体と年代別・役職別の回答分布
全体では、「表情」または「話し方」を変えたと回答した人が40%と最も多かった。一方で、「何もかえていない」と回答した人も26%いた。役職別にみると、経営層では「表情」または「話し方」を変えたと回答した人が60%を超えており、他の役職に比べて多くなっている。
問5-4具体的に何をどのように変えましたか。より詳しく教えてください。 ※任意・自由回答
- 出来るだけ相手に話をしてもらい、質問もより具体的に行う。 相手の前提を確認し、分かりやすい言葉を心がける
- 隠すこと、カッコつけることをやめた
- 話す速度をゆっくり目にするよう意識している
- 相手の会話を聞いてから、自分の意見を話すように心がけている。
- 怒るときは、相手の理由並びに怒る理由を伝える用に心がける
- 挨拶をする.感謝をする.お願いを言葉にする
- 話し方が高圧的であるとの指摘により、まず言わずに言わせるように仕向けました。しかし、どこまでも言わないメンバーに言わ
- せること自体に圧力を感じる様で、うまくいっていません。話し方を変えることが自己否定をしている様な感覚になり、自分自身にも嫌気がさし辛さが残る様になり、結局の所、長続きしませんでした。
以上
※注1 小数点第一位を四捨五入して算出しているため、合計数値が100%にならない場合があります。
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