マネジメントに使えるコーチング

マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!


3分間コーチの2つの時間(5) 部下が黙る理由 & 部下のほうから声をかけさせる

3分間コーチの2つの時間(5) 部下が黙る理由 & 部下のほうから声をかけさせる
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マネジメントにコーチングを取り入れようと思ったら、スキルを学ぶより何より、まずは部下と話す時間をつくること。たった3分でも充分です。3分間の積み重ねは、きっとあなたのマネジメントに大きな違いをもたらします。

3分間コーチは、〈 2つの時間 〉をとることを最優先させた、極めてシンプルなマネジメント手法です。

2つの時間

部下について考える時間をつくる。
部下を的を絞った短い会話をするための時間をとる。

今回紹介するのは、こちらの2つです。

部下について考える時間

部下が黙る理由

なぜ自発的に発言しないのか?
なぜ質問しても答えないのか?
なぜ何の提案もないのか?
なぜ黙ってしまうのか?

これらについては、あまり理解されていないように思います。そこで、さまざまな機会に、わたし自身の部下たちにインタビューしてみました。

さて、どんなときに黙ってしまうのか?

「自分の意見に自信がないとき」
「ふだん、あまり業績がよくないのに、意見だけを言うのはまずいと思う」
「思っていることをうまくことばにできない。まとめている間に話が移ってしまう」
「変なことを言って浮いてしまいたくない」
「最初から求められている答えが決まっているから」
「上司の意に沿わないことを言ったら、責められるから」
「自分には重要なことでも上司は軽視している。そこではとても話せない」
「上司が明らかに自分の話を聞いていないのが態度でわかるとき」

部下の言い分が全部正しいわけではありません。けれども、彼らが黙っているときにはそれなりの理由があります。一人ひとり理由は違いますが、黙っていることには理由があるのです。

部下と的を絞った短い会話をするための時間

「何かあったら声をかけてくれ」では、相手は声をかけられない

コーチングの時間をつくるもうひとつの方法は、こういうときに部下のほうから声をかけてくれるよう、あらかじめ具体的に示しておくことです。たとえば、部下が営業に出かけるとき、帰ったとき、自分に声をかけるよう言っておきます。

また、「判断に迷ったときや優先順位に迷いがあるとき、予想外のことが起こったときには、きみのほうから遠慮なく声をかけてくれ」と伝えておきます。

「何かあったら声をかけてくれ」とか「いつでも相談してくれ」というのは、親切そうに聞こえますが、あまりにも漠然としていて、部下は声をかける機会を見つけられません。

それよりも、たとえば、プレゼンの前、企画書を書く前、営業のあと、キャリアについて話したいとき、頭を整理したいとき、できるだけ具体的に、どんなときに声をかけたらいいのかを、あらかじめ伝えておくことです。


(『3分間コーチ ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術』より抜粋編集)

3分間コーチ
ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術

著者:伊藤 守
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン


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