マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!
絵で学ぶ3分間コーチ(11) 気づき→熟考→選択→行動
2019年04月18日
マネジメントにコーチングを取り入れようと思ったら、スキルを学ぶより何より、まずは部下と話す時間をつくること。たった3分でも充分です。3分間の積み重ねは、きっとあなたのマネジメントに大きな違いをもたらします。
気づいたからといってすぐ行動に結びつくわけではない
イラストレーション 谷山彩子
わたしたちは、会話を交わすことによってお互いへの理解を深めると同時に、会話を通じてこれまで自分が持っていた考え方やとらえ方を改めて見直す、そして、そこに新しい解釈を加え、試みるという作業を行なっています。ちょうど古いカーナビのソフトを入れ替えるような作業を自分の内側で行なっているわけです。そうやって現実への対応力を高めていきます。
〈3分間コーチ〉は、部下の育成と目標達成を目的としますから、会話を持つときは、この〈セルフトーク〉の働きを理解し、それを活用するよう意識します。つまり、次の流れが起こり、目標へ向かう行動が生まれることが、個々のコーチングの目標となります。
会話での気づき → セルフトークでの熟考 → 選択 → 行動
「気づけば行動は変わる」と思われているようですが、気づいただけでは行動は変わりません。〈気づき〉には、いわば暗闇をサーチライトで照らすような働きがあり、それは貴重なものですが、サーチライトで暗闇を照らしただけで行動が起こるわけではないのです。ライトに映し出されたものを見て、熟考し、選択する時間が必要です。〈熟考〉し、次に〈選択〉してはじめて行動に移すことができます。
〈3分間コーチ〉が適切にコーチすれば、部下の内側では、3分間の会話から受けた刺激や〈問い〉に始まった会話〈セルフトーク〉が、その後も続き、それが、現実を見る視点を変えます。そして、その視点の変化に伴う考え方や解釈の幅の広がりが、やがて、行動に変化をもたらすようになります。言い換えれば、新しい思考、行動が生まれるわけです。つまり、創造です。
ほんとうの会話とは、創造以外の何ものでもありません。
(『3分間コーチ ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術』より抜粋編集)
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