マネジメントに使えるコーチング

マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!


3分間コーチ エッセンシャル(23) 上司の仕事は、部下の問題解決ではない

3分間コーチ エッセンシャル(23) 上司の仕事は、部下の問題解決ではない
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マネジメントにコーチングを取り入れようと思ったら、スキルを学ぶより何より、まずは部下と話す時間をつくること。たった3分でも充分です。3分間の積み重ねは、きっとあなたのマネジメントに大きな違いをもたらします。


優れた上司は、部下の問題を解決するのではなく、
自分で問題解決のできる部下を育てる。

仕事の途中で、不測事態が生じたら、「時間をおかずにすぐ!」が、コーチングのタイミングとなります。時間をおくと、それだけ事態に対して腰が引けていきます。だから、速やかに声をかけます。

そこで交わされる会話〈コーチング・カンバセーション〉の目標は、まさに今、目の前にある問題の解決をサポートすること。と同時に、そこにはそれ以上の目的もあります。それは、〈そこから学ぶ〉という習慣を身につけさせることです。その、まさに不測の事態が起こってしまっている場面から学ぶ習慣です。

ここで大切なのは、毎回、部下の問題解決を手伝うことではなく、部下一人ひとりに「不測事態対応能力」を備えさせることを目的とした会話を交わすこと。不測事態に対して、自分で考え、自分から行動を起こし、それを自分で評価できるように促すことです。そのプロセスを通して、自律性のある部下を育成することができます。

では、具体的にはどうすればいいのか? 

それはまず、今目の前で起こっている問題や課題をテーマとして扱いながらも、問題そのものについては言及しないことです。

どんな場面であっても、上司は、アドバイスしたり、代わりに問題を解決したりしないほうがいいのです。そうではなくて、部下が問題や課題をどう扱うかをコーチします。

  • その問題に対して、正面から向き合っているか、それとも後ろ向きか?
  • 今起こっている事態をどのように解釈しているか? どの角度から見ているか?

そして、課題や問題を解決するために必要な知識やスキル、リソースをすべてあげてみて、その部下に必要なものを備えさせます。

何よりも、そこでコミュニケーションを交わす機会を持つことが大切です。部下が自分のかかえる問題をアウトプットするだけで解決する問題は、少なくありません。

(『3分間コーチ ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術』より抜粋編集)

3分間コーチ
ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術

著者:伊藤 守
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン


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