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第8回 うまくいくキャッチボールの条件 (1)完了させる
2020年12月11日
コミュニケーションはキャッチボール(はじめに)
この気もち伝えたい』という小さな絵本があります。...
自分が投げて相手が受け取る、受け取ったボールを相手が投げて、自分が受け取る ─── それがキャッチボールです。
そして、ここまでが、キャッチボールの1ユニットです。
これが途中で途絶えると、それは、キャッチボールではないことは、これまで見てきたとおりです。
「コミュニケーションの完了」と「コミュニケーションの未完了」
この1ユニットのコミュニケーションを行うことを、わたしは「コミュニケーションの完了」と呼んでいます。そして、なんらかの事由でそれが中途半端に終わってしまうのが、前章でも触れた「コミュニケーションの未完了」です。
コミュニケーションの未完了は、そのコミュニケーションが終わっても、その人の中で何年にもわたって残りますが、幸いなことに、もし、その人が別の場面で、完了するコミュニケーションを体験すると、その未完了は消えていきます。
あるときは、一瞬のうちに。あるときは、氷がとけるように少しずつ。
たとえば、あなたが子どもころにいじめを受けて、その記憶からコミュニケーションを恐れるようになっていたとします。その場合、当のいじめた本人に謝ってもらわなくても、いま、ここで、新しい人々との間で、完了するコミュニケーションをもつことで、そのときの「未完了」を解消することができるのです。
逆に言えば、たとえ、過去にあなたが置かれていたコミュニケーション環境がどんなに劣悪なものであったとしても、それを理由にいまここでのコミュニケーションを避ける理由にはならないということです。
責任と選択は、常に、あなた自身にあります。
出典
コミュニケーションはキャッチボール itoh.comより抜粋編集
『コミュニケーションはキャッチボール』(ディスカヴァー刊)伊藤守著より抜粋編集
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