コーチング研究所によるさまざまな調査の結果や、データの分析結果をご紹介します。
上司が考える部下の昇進基準第2位は「業務実績」、第1位は?
2017年11月07日
キーワード 管理職、昇進
1. 調査の主旨と概要
1.1. 調査の主旨
本調査結果レポートは「管理職に求められている能力についてのアンケート調査」をまとめたものです。本調査では、企業等で働く人を対象に、自身の課長昇進時の理由や部下の昇進基準について調査しました。
1.2. アンケート調査概要
調査対象:コーチ・エィ発行メールマガジン「WEEKLY GLOBAL COACH」の読者
実施期間:2017年7月19日~2017年8月8日
実施方法:メールマガジンに記載されたURLにアクセスして回答
調査言語:日本語
調査機関:株式会社コーチ・エィ コーチング研究所
1.3. アンケートの回答状況
回答数:316件 無効回答数:31件 有効回答数:285件
1.4. アンケート調査の質問内容
問1. 経営者・取締役・管理職の方にお聞きします。あなたが課長へ昇進したときの理由は、何だったと認識していますか。最も当てはまると思うものを3つ選択してください。
□業務実績 □十分な勤続年数 □明るく前向きな性格 □仕事への情熱
□勤勉さ(知識量/継続的な学習) □アカウンタビリティの高さ(責任感/主体性)
□部下・後継者育成の実績 □日頃のチームへの情報発信量 □多様な価値観の受容力
□先見性・ビジョン提示力 □戦略企画力 □上司との良好なコミュニケーション力
□部内メンバーとの良好なコミュニケーション力
□他部署のメンバーとのネットワーク・良好なコミュニケーション力
□外部顧客やSHとのネットワーク・良好なコミュニケーション力 □その他
上記を選択した理由( ) ※任意・自由回答
問2. 経営者・取締役・管理職の方にお聞きします。あなたが部下の昇進を推薦または決める時に、重要視していることを教えて下さい。最も当てはまると思うものを3つ選択してください。
選択肢:問1と同じ選択肢
上記を選択した理由( ) ※任意・自由回答<
問3. あなたの直属の上司が、現在のポジションに選ばれた理由は、何だと思いますか。最も当てはまると思うものを3つ選択してください。
選択肢:問1と同じ選択肢
問4. あなたの勤務先の従業員数を教えてください。
□~100人 □101人~500人 □501人~1,000人 □1,000人~5,000人 □5,000人~10,000人 □10,001人~
問5. あなたの勤務先にある、以下の各階層に相当する役職数を教えてください。
取締役相当の役職数( )執行役員相当の役職数( )管理職相当の役職数( )それ以外の社員の役職数( )
2. 回答者の属性分布 ※注1
3. 質問別集計結果
問1. 経営者・取締役・管理職の方にお聞きします。あなたが課長へ昇進したときの理由は、何だったと認識していますか。最も当てはまると思うものを3つ選択してください。
表1. 問1の結果(全体集計)
課長への昇進理由は、「1.業務実績」、「2.アカウンタビリティの高さ(責任感/主体性)」、「3.仕事への情熱」 でした。
現在の役職に関係なく、課長昇進の理由のトップ3項目は共通していました。特に、「1.業務実績」は6割以上の人が選択しており、昔も今も業務で実績をあげるということは、管理職になるための必須条件といえそうです。
問2. 経営者・取締役・管理職の方にお聞きします。あなたが部下の昇進を推薦または決める時に、重要視していることを教えて下さい。最も当てはまると思うものを3つ選択してください。
表2. 問2の結果(全体集計)
上司は部下の昇進を決めるときに、何を重要視しているのでしょうか。
全ての役職で 「業務実績」 と 「アカウンタビリティの高さ(責任感/主体性)」が上位項目でした。「業務実績」 は、役職が高くなるほど昇進理由として重要視される割合が高まっています。
3番目に多く選ばれた項目は、次のとおり各役職の特徴が反映された結果になっています。
- 経営層:「部下・後継者育成の実績」
- 部長:「部内メンバーとの良好なコミュニケーション力」
- 課長:「仕事への情熱」
また、課長職にしぼって「自身の昇進理由(問1の結果)」と「部下の昇進基準(問2の結果)」の視点の差をみると、自身は異なる理由で昇進したと思うが、部下の昇進には、より「アカウンタビリティの高さ」 と 「部門内メンバーとの良好なコミュニケーション力」 を重要視しているという傾向がみられました。
問3. あなたの直属の上司が、現在のポジションに選ばれた理由は、何だと思いますか。最も当てはまると思うものを3つ選択してください。
表3. 問3の結果(全体集計)
部下は、自分の上司が現在のポジションについている理由をどのように認識しているのでしょうか。
結果は、"高い「業務実績」を上げたから" が、50%以上と多くの人が思っている上司の昇進理由でした。この結果は、上司が部下の昇進を判断している視点ともつながります。また、「業務実績」は自身の課長昇進理由でもトップの項目でした。「上司と部下」「本人」、全ての立場からみて、業務で実績をあげることが、管理職として重要なことと言えそうです。
では、「業務実績」と同様に上司が「部下の昇進基準(問2の結果)」で重要視している割合の多かった 「アカウンタビリティの高さ」 はどうでしょうか。部下からも同じように認識されているのでしょうか。
結果は少し異なるようです。部下からは、上司の昇進理由として「アカウンタビリティの高さ」は、それほど認識されていません。特に課長や一般社員からみると、上司の昇進理由としては「上司とのコミュニケーション力」がより認識されていました。
なお、「上司とのコミュニケーション力」は、部下の昇進基準(問2の結果)としては、ほとんど重要視されていない項目です。
その人との関係によって、同じ人同じパフォーマンスへの認識の仕方は、異なっているようです。
問4. あなたの勤務先の従業員数を教えてください。
図1. 問4の結果(全体集計) ※注1
以上
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