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課長が昇進のチャンスを掴むには何が必要か?<特別号>課長のリーダーシップ -「管理職に求められている能力についてのアンケート調査」より-

2017年9月に、読者のみなさまにご協力いただいた、「管理職に求められている能力についてのアンケート調査(No.16)」の結果より、組織で最も人数の多い上司「課長」に関する結果を抽出してまとめました。

  1. 課長の基準は、時代とともに変わってきているのか
  2. 課長は、なぜ今のポジションに選ばれたのか
  3. 課長がひとつ上のリーダーとして活躍の場を広げるチャンスを掴むには何が必要か

1. 課長の基準は、時代とともに変わってきているのか

1.1 自分が課長に昇進した理由

表1. 「あなたが課長へ昇進したときの理由は何だったと認識していますか」への回答 トップ3 (自己認識)

表1の結果より、現在の役職にかかわらず共通して、多くの人が自身の課長昇進時の理由は、上司や会社に「業務実績」と「高いアカウンタビリティ」「仕事への情熱」を評価されたからと認識しているようです。

では、上司が部下の昇進を決めるときには、どんなことを重視しているのでしょうか。表1の結果のとおり、本人が認識している要素が本当に重要な昇進理由なのでしょうか。

1.2 課長が意識している部下の昇進基準

表2. 課長の「あなたが部下の昇進を推薦または決めるときに、重要視していることを教えてください」への回答 トップ3

表1と比較すると、トップ3に選ばれた項目は変わりませんが、1位が「アカウンタビリティの高さ」という興味深い結果となりました。現在、課長職の人の6割を超える人は、自身が課長に選ばれた理由として「業務実績」を上げていますが、部下を昇進させる基準として「業務実績」ではなく「アカウンタビリティの高さ」をより重視している人が多いという結果でした。

このギャップは何を意味しているのでしょうか。上司からみる部下の「アカウンタビリティの高さ」は、別の言葉で表現すると「業務実績」ということでしょうか。「業務実績」が高い社員はアカウンタビリティが高い様に見えるとも言えそうです。

では次に、部下からみると、上司が昇進した理由をどのようにみているのでしょうか。

2. 課長は、なぜ今のポジションに選ばれたのか

表3. 役職別にみた「あなたの直属の上司が、現在のポジションに選ばれた理由は、何だと思いますか」への回答 トップ3

直属の上司が「課長」にあたる一般社員の結果を中心にみていきたいと思います。

1位の「業務実績」と3位の「上司との良好なコミュニケーション」は、経営層や部長も同じように、部下からみてそのポジションに選ばれた重要な理由にみえているという結果でした。2位の「十分な勤続年数」は、回答者の役職が上がるにつれて、上司が現在のポジションについている理由ではなくなり、「業務実績」や、「アカウンタビリティの高さ」「戦略企画力」に重要な選考基準が移っていくように部下からはみえているようです(※1)。

「上司との良好なコミュニケーション」 と 「アカウンタビリティの高さ」について

これまでの結果から注目したいのは、「上司との良好なコミュニケーション」 と 「アカウンタビリティの高さ」 に関する、課長の自己認識と部下からの評価の認識ギャップです。

上司との良好なコミュニケーション

表1および表2のとおり、[A.本人が認識している課長に選ばれたときの理由] としても、[B.課長が部下の昇進を決めるときに重視する項目] としても、「上司との良好なコミュニケーション」 はトップ3には入ってきていません。つまり、本人や上司の多くは重要だと認識していない項目と言えます(※1)。

  • 「上司との良好なコミュニケーション」が選ばれた割合(課長回答)
    [A. 本人が認識している課長に選ばれたときの理由] ・・・14%
    [B. 課長が部下の昇進を決めるときの重視する項目] ・・・2%

一方で、表3の結果より、課長の部下となる一般社員の多くは、「直属の上司(課長)が現在のポジションになった重要な理由」として「上司との良好なコミュニケーション(24%)」をあげています。

アカウンタビリティの高さ

本人が認識している課長に昇進したときの重要な要素トップ3(表1)に入っている 「アカウンタビリティの高さ」 は、部下である一般社員からみると、直属の上司が課長に選ばれた理由としては、あまり認識されていません(※1)。

  • 「アカウンタビリティの高さ」が選ばれた割合(一般社員回答)・・・13%

この認識の差は、何を意味しているのでしょうか。

課長への昇進理由の自己認識 と上司からみた部下の昇進基準、そして部下からみた上司の昇進理由の結果を総合すると、上司や課長本人が認識している「アカウンタビリティの高さ」には、部下の立場からは「仕事への前向きさ」や「自分の業務実績」を上司に伝える力=「上司との良好なコミュニケーション」を行える高い能力と言い換えられる部分がありそうです。

3. 課長がひとつ上のリーダーとして、活躍の場を広げるチャンスを掴むには何が必要か

3.1 部長が意識している部下の昇進基準

表4. 部長の「あなたが、部下の昇進を推薦または決める時に、重要視していることを教えてください」への回答 トップ3

3.2 上司(部長)がなぜ今のポジションに選ばれたのか

表5. 課長の「あなたの直属の上司が、現在のポジションに選ばれた理由は、何だと思いますか」への回答 トップ3

表4,5の結果から、課長が組織においてより上位の役職で活躍する機会を得るには、課長としてこれまで以上に上司や部内メンバーと良好なコミュニケーションを行う能力を身につけ発揮することが求められそうです。

以上

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