「いいにくい」ことをいうとき、どんな工夫をしていますか？

「いいにくい」ことをいうときに活躍するのが "枕詞" です。これを使うと伝えにくい言葉を意外に楽に口に出すことができます。

いくつか種類がありますが、まずは "相手の許可" をとる枕詞。

「ちょっといいにくいことがあるんだけど、いってもいいかな？」

相手はまず99％「イエス」といいます。許可をとれば、そんなにいいにくくはないものです。

次に、相手のその行動がどんな場合でもマイナスなのではなく "あるひとつの視点から見る限りそうだ" ということを伝える枕詞。

「コーチングという視点から見ると...」
「これは私の考えだけど...」
「ひとつの可能性として...」

こちらの主張が及ぶ範囲が限定されるため、相手の抵抗感が薄れます。

それから最後に "自分の気持ち" をあらかじめ伝える枕詞。

「これいおうと思うとちょっと緊張しちゃうんだけどね」

もう隠すものはありませんから、堂々と伝えられます。

このように枕詞は相手にメッセージを伝えるときのハードルを低くしてくれます。
また同時に枕詞は、それを使うことで相手と自分を "パートナー" という関係に保つ働きもします。

『新 コーチングが人を活かす』（鈴木義幸著）より抜粋編集