Global Coaching Watch

Global Coaching Watch では、海外コーチのブログ記事の翻訳を中心に、世界のコーチング業界のトレンドやトピックスをお届けします。


エネルギーと幸福感を維持するための7つの休息習慣

【原文】7 Ways to Maintain Your Energy and Happiness Throughout the Day
エネルギーと幸福感を維持するための7つの休息習慣
メールで送る リンクをコピー
コピーしました コピーに失敗しました

私たちは「休息不足」に陥っている

休暇は仕事から解放されるひとときだと私たちはとらえている。しかし、休暇の間も家族からの期待に応えたり、食事バランスが崩れたり、はたまた日頃の生活リズムが狂ったり、片付いていない仕事が心配になったりなどと、あらゆる局面でストレスを感じるかもしれない。せっかくの楽しい計画も、交通渋滞や翌日の精神的・肉体的な疲れのために思うようにリラックスできないこともある。

私たちは、ちまたにあふれるダイエットやストレス・マネジメントなど、セルフケアに関する情報に翻弄されることもある。これらの提案リストはある程度は役に立つが、あなたという人全体のセルフケアによい効果を与えるには不十分だ。このようなときは、パーソナル・ファウンデーション(自己基盤)の重要な項目をチェックするセルフケア・チェックリストは役に立つかもしれない。以前、TEDxアトランタというTEDのイベントで『Sacred Rest(聖なる休息)』の著者、サンドラ・ダルトンースミス医学博士の講演を聞き、私は「休息不足」がいかに幸福感と健康に深刻な影響を与えるかを学んだ。

ダルトンースミス医学博士は、患者の持続的な疾患を診断する際に、彼らの休息活動における理想的な状態と現実とのズレを発見した。患者が必要な休息をとれるように支援することで、長期的に安定した健康状態に戻れることが多々あった。

睡眠は休息と同じことではない。幸せな、前向きな、さらには満たされている気持ちを感じるために必要だと彼女が定義する7種類の休息のうち、1つでも欠けていると、いい睡眠をとることができない。

この視点によって、あなたは休日をより笑顔で過ごすことができるようになるだろう。毎日をより良い気分で過ごすために、以下の7つの休息習慣を取り入れてみて欲しい。

セルフケアと幸福が手に入る7つの休息習慣

  1. 精神的な休息
    心が疲れていると、ミスを犯したり、記憶が飛んだりする。やり直したい過去の出来事に気をとられたり、将来の出来事について最悪のシナリオを想定したりすればするほど、脳は早く消耗することになる。日中や夕方に、頭を使わない活動を予定に入れよう。安全で、できれば静かな屋外を散歩し、周囲に意識を向ける。美しい夕日を見たときの感動、花の開花、雨の水滴を吸い上げる植物、子どもが触れてくる手に感覚を解き放とう。外出できない場合は、静かに過ごすか、5分程度の瞑想をする。夜には、日中に起きたことを脳に消化させるために、何も考えずにテレビを見るのも良い。そうすれば、眠る前に少しは笑える瞬間があるかもしれない。

  2. スピリチュアルな休息
    これは必ずしも宗教のことではない。自分自身よりも大きな存在とのつながりを感じることだ。それは善いことや善い行いが広がっていくという信念を持つことでもある。もしあなたが人生の目的を持っていないなら、充実した喜びを与えてくれる自分の行いに気づくことで、生きがいや存在価値を培うことができる。誰かに微笑みかけたり、親切な振る舞いをしたり、自分のコミュニティや私達が住むこの世界をより良くするために何か行動したとき、あなたの心はより豊かに感じられるだろう。音楽や気分を高揚させるビデオは、あなたの身体と心と精神を結びつける。Grateful.orgの日替わり名言を毎日読むのもよい。インスピレーションを与えられて、より良い一日への準備に役立つ。気分が高揚した瞬間を日記に書き留めておくと、気持ちが不安定になったときにそれを思い出すこともできるだろう。

  3. 感情的な休息
    クライアントが自分の人生で失ったと感じるものを私に打ち明け、涙を流すことがよくある。そうすることでクライアントは心を開放して安心し、時には笑ったりする。また、私たちは、常にパフォーマンスを求められることで感情的に余裕のない状態になることもある。あなたを判断したり、あなたにアドバイスを押しつけたりすることのない、信頼できる人を見つけて、感じているプレッシャーについて話してみるといい。自分が手一杯だと感じたら、はっきりとノーと言おう。自分が軽んじられたり、無視されたり、感謝されなかったり、誤解されたりしていると感じたら、そのように感じていることを伝えて、会話や相手との関係性を前進させるために必要なことを相手に求めてみよう。誰かに連絡をとることや新しい行動を始めることにためらいを感じたら、何が起こることを恐れているのかを自問してみよう。恐れを言葉にすることで、それが行動に及ぼす影響を少なくできることがよくある。自分が前向きな思考を持てるような、良い刺激とポジティブな視点を与えてくれる人々が、あなたのまわりに必ずいることを認識してほしい。気持ちを高めてもらう必要がある時は、一緒にいると笑顔になれるような人たちと過ごそう。

  4. 社会的な休息
    たくさんの人たちの中にいても、孤独を感じることがある。私たちは皆、他の人から見られ、愛され、一緒に楽しむことを必要としている。あなたのことを評価する心配のない、一緒にいるとリラックスできる人たちと過ごすことで、そのような状態が得られるかもしれない。一緒にハイキングをしたり、本を読んで話し合ったり、ある主張や目的を支持したり、仕事上の課題を共有したり、共通の趣味を楽しむなど、同じ考えを持つと新しい友人をつくろう。できれば、直接会うのがいいが、リモートでの集まりでも全員が安心して自分の考えを共有できる場であれば効果がある。

  5. 感覚の休息
    私たちのほとんどは日ごろ、生活環境からの騒音、コンピューターや電話による中断、人工的な光、ストレスを伴う運転、仕事や家庭での集中を妨げる要素などによって、過剰に刺激を受けている。レストラン評論家の中には、レビューにレストランの騒音レベルを含める人もいる。心と視覚を休めるために電子機器から離れる必要がある。音楽に浸ったり、新鮮な空気を嗅いだり、アロマセラピーまたは料理で良い香りを楽しんだり、触れて心地よいものを手で感じたりして感覚を目覚めさせよう。

  6. 創造的な休息
    年を重ねるにつれて、私たちは創造性を表現する場を失いがちだ。好きな芸術や趣味であなたの創造的な才能を表現する方法を見つけることができるかもしれない。もし興味があれば、音楽、ダンス、コメディなどのパフォーマンスを鑑賞し、美や遊び心を楽しむ気持ちを再び目覚めさせよう。平凡な日常生活の中でも、人々の細やかな挙動に気づくようにしよう。スーパーマーケットにさえ、驚くべき発見はたくさんある。

  7. 身体的な休息
    あなたがアスリートであろうと、一日中椅子に座っている人であろうと、身体は回復時間を必要とする。身体のどこかが痛み出す前に、毎日数分間ストレッチをしたり、深呼吸をしたりしよう。緊張を解きほぐし身体を落ち着かせることで、生産性と見通しは良くなる。

Sacred Rest(聖なる休息)』という書籍を読んでみて欲しい。この本には、あなたに必要な休息を得るためのツールやヒントが書かれている。本の最後には自分自身に必要な休息が何なのかをより正確に把握するためのアセスメントもある。この本は、あなたのコーチングを向上させるだけでなく、あなたの大切な命を救うことになるかもしれない。

【筆者について】
マーシャ・レイノルズ博士(Dr. Marcia Reynolds)は、コーチングを通して世界各地の企業の幹部育成をサポートし、実績を上げている。クライアントは、多国籍企業、非営利団体、政府機関のエグゼクティブや将来の幹部候補生である。また、世界各地で開催されているコーチングやリーダーシップに関するカンファレンスで講演し、43カ国でリーダー向けの講座を担当し、コーチングを行っている。調査機関グローバル・グルス(Global Gurus)で世界5位のコーチに選ばれ、さらに国際コーチング連盟が選出している10名のThe Circle of Distinctionの一人でもある。

医療分野でのコーチング経験も豊富で、ヘルスケア・コーチング・インスティテュートのトレーニングディレクターを務め、総合病院、クリニック、大手製薬会社などで25年にわたり数多くのリーダーにコーチングを提供している。

また、彼女は国際コーチング連盟(ICF)の 歴代5番目のグローバル・チェアマンであり、世界で最初のICFマスター認定コーチ (MCC) になった25人のうちの1人である。組織心理学の博士号、および、教育とコミュニケーション分野における修士号を取得している。

著書に、"Coach The Person, Not the Problem"(邦訳:『変革的コーチング』), "Outsmart Your Brain", "The Discomfort Zone: How Leaders Turn Difficult Conversations into Breakthroughs"などがある。

【翻訳】Hello, Coaching! 編集部
【原文】7 Ways to Maintain Your Energy and Happiness Throughout the Day(レイノルズ博士のウェブサイトCONVISIONINGに掲載された、2022年11月14日の記事を許可を得て翻訳。)


この記事を周りの方へシェアしませんか?

この記事はあなたにとって役に立ちましたか?
ぜひ読んだ感想を教えてください。

投票結果をみる

※営利、非営利、イントラネットを問わず、本記事を許可なく複製、転用、販売など二次利用することを禁じます。転載、その他の利用のご希望がある場合は、編集部までお問い合わせください。

ストレスマネジメント ファウンデーション/自己基盤

コーチング・プログラム説明会 詳細・お申し込みはこちら
メールマガジン

関連記事