リーダーシップミニ講座

リーダーシップとは、リーダーという立場にある人だけに必要なものではありません。どんな役割、立場にある人にも、リーダーシップが求められます。優れたリーダーは、周囲とどのように関わり、どのように物事を推進しているのか。ワークに取り組みながら、コーチ型リーダーのコミュニケーションについて学ぶためのミニ講座です。


できるマネジャーが実践しているコーチング型マネジメントのススメ 第3回 コーチング型マネジメントを「いつ」使うのか

できるマネジャーが実践しているコーチング型マネジメントのススメ  第3回 コーチング型マネジメントを「いつ」使うのか
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第1回 はじめに
第2回 コーチング型マネジメントとは
第3回 コーチング型マネジメントを「いつ」使うのか
第4回 コーチング型マネジメントのコミュニケーション
第5回 コーチング型マネジメントが活きるとき

コーチングは万能ではありません。ゆえに、どんな場合でもコーチングを適用しようとすると、失敗します。使うタイミングや対象を間違えれば、機能しないばかりか、部下との信頼関係を損ねたり、生産性を下げてしまうことにもつながります。

そこで今回は、コーチング型マネジメントが効果的な場面を確認します。

コーチングが機能する対象
〜対象者のスキル×タスクの重要度・難易度〜

対象となる人の能力と、その人が取り組む業務・仕事の内容の難易度の掛け算で、コーチングが機能するかどうかを判断することができます。

A(重要度・難易度が高い仕事を、その仕事に見合うスキルが不足している人が行う場合)

経験の浅い若手のスタッフに大きな仕事を任せるような場合などが当てはまります。この領域にいる人には、ティーチングや指示が適しています。

B(重要度・難易度が高い仕事を、スキルの高い人が行う場合)

コーチングがもっとも機能するのは、この領域です。コーチすることで、相手の可能性や個性、強み、リソース、新たなアイディアや挑戦を引き出すことができるとともに、本人の自己効力感や成長実感、達成感を高めることができます。

C(重要度・難易度が低い仕事を、スキルの高い人が行う場合)

この領域は、基本的に本人に任せて良い領域です。ただ、「新しい方法を試す」といったイノベーションやクリエイティビティの発揮を目的とする場合は、コーチングも有効です。

D(重要度・難易度が低い仕事を、スキルの低い人が行う場合)

この領域はケースバイケースです。スピードが求められるときは、指示やティーチングが有効ですが、自ら考え行動する人材を育成することを目的に、試行錯誤させながら本人の自発性を促したいと考える場合は、コーチングの活用も有効です。

この指標については、【図解】コーチングとは?ティーチングとの違いで学ぶ、その意味と効果的な使い分け で、ケーススタディを交えながら具体的に解説していますので、ぜひ参考にしてください。

参考
CoachAcademiaマニュアル「コーチングとは」より

コーチングが機能する領域
〜重要度×緊急度〜

仕事の重要度や緊急度によっても、コーチングがより効果的な場合と、そうでない場合があります。

© coachAcademia™ MODULE 02「コーチングとは」より

コーチングが最も機能するのは、1の「重要だが緊急ではない領域」の仕事です。この領域にあるテーマは取組みに時間を要しますが、大きな効果が期待できます。

1の領域の仕事は緊急性が低いために、後回しになりがちです。しかし、放っておくうちに緊急度が増し、いつの間にか2の「重要かつ緊急な領域」に移動し、そこで初めて対応することになります。つまり、1の仕事を常に後回しにしていると、いつも「重要かつ緊急な仕事」に追われた状態になってしまうのです。しかし、日々、重要で緊急な仕事に追われていると、「やらなければならないからやる」という「受け身」の状態に陥る可能性があります。

その意味でも、「重要だが緊急ではない仕事」のために時間をとり、日々考えることで、緊急な仕事に振り回されることのない基盤を整えることが必要です。

それぞれの領域についてみておきましょう。

1(重要だが緊急でない事柄)

この領域には、たとえば、自身の能力開発、部下の育成、後継者育成、未来に向けた戦略立案といった事柄が入ります。この領域の仕事に早くから手をつけておくことで、緊急なことが起こらないようにするという、真の意味でのリスクマネジメントを実現することができます。

2(重要かつ緊急な事柄)

この領域の仕事は、「緊急」かつ「重要」なのですから、着手せざるを得ません。さらに、多くの場合、私たちはこの領域の事柄の処理に忙殺されています。この領域の事柄を整理し、効率よく処理することで、1の領域に力を向けられるようにしていく必要があります。

3(重要ではないが緊急な事柄)

この領域の仕事は、緊急であるがために、重要な事項よりも優先される場合があります。マネジャーにとっては、部下にいかにこの領域の事柄を効率よく処理させ、重要な領域に向かわせることができるかが問われているともいえます。

4(重要でも緊急でない事柄)

この領域に手をつけるのは、「さあ、書類作成をはじめよう!」とデスクに向かったものの、急に引き出しの整理を始めてしまうのと似ています。そもそも手をつける必要のない領域ですから、コーチングにも適していません。ただ、この領域に逃げ込んでいる部下には、前段階として、気がかりを解消させる、ゴールや役割を共有・確認し直すなどの関わりが必要となってきます。

参考
「コーチングマネジメント」伊藤守著 ディスカヴァー刊
CoachAcademiaマニュアル「コーチングとは」より

コーチング型マネジメントの活用は、部下との関わりにおいて、コーチングが必要かつ効果な部分を選別することから始まります。ぜひ今回の内容を参考に、日々のマネジメントを改めて俯瞰し、「コーチング」という新たなマネジメントの選択肢を活用できる領域を特定してみてください。

コーチング型マネジメントを取り入れるためのミニワーク

コーチング型マネジメントを活用できるケースを特定する

日々のマネジメントにおいて、コーチング型マネジメントを取り入れると効果的なケースを、上の2つのマトリクスを参考に、具体的にリストアップしてみましょう。

例)面談の中で、中堅スタッフと成長目標やスキルアップ目標を扱うとき     後輩のメンターをしているKさんの相談にのるとき

次のような内容をまず洗い出し、その中から、コーチングを活用することで効果を期待できそうなケースをピックアップするのも1つの方法です。

  • 指示命令型マネジメントだけではうまくいっていないケース
  • マネジメントにおいて、実現したいが現状まだできていないこと

※営利、非営利、イントラネットを問わず、本記事を許可なく複製、転用、販売など二次利用することを禁じます。

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