リーダーシップとは、リーダーという立場にある人だけに必要なものではありません。どんな役割、立場にある人にも、リーダーシップが求められます。優れたリーダーは、周囲とどのように関わり、どのように物事を推進しているのか。ワークに取り組みながら、コーチ型リーダーのコミュニケーションについて学ぶためのミニ講座です。
コーチ型リクエストで「能力」と「成長」を最大化する 第4回 コーチ型リーダー、コーチ型マネジャーのリクエスト

2017年11月02日

リーダーシップミニ講座、シリーズ8のテーマは「リクエスト」です。
第1回 | はじめに |
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第2回 | リクエストについて再考する |
第3回 | リクエストのタイミングとポイント |
第4回 | コーチ型リーダー、コーチ型マネジャーのリクエスト |
第5回 | 相手に合わせたリクエスト |
輪ゴムを思い浮かべてみてください。新しい輪ゴムは硬くて伸びにくいものです。しかし、一度大きく伸ばせば、元の形、硬さには戻りません。つまり元のサイズよりも「大きく」なったわけです。
人に関しても同じように考えることができます。コーチ型リーダーの役割は、チームのメンバーが本人が思うよりも大きな存在になること。そして、その後も成長し続けるようにサポートすることです。そのサポートのひとつが「リクエスト」です。
今回は、そうしたリクエストの会話例を紹介します。自身の職場を思い浮かべながら、読み進め、最後のワークに取り組んでください。
職場におけるコーチ型リクエスト
部下(以下、部)「お約束していたレポートの完成ですが、金曜日の午後でいいでしょうか?」
リーダー(以下、リ)「少し時間がかかっているね。何か障害になっていることはある? できれば、水曜日くらいには見たいんだが。 」
部「実は水曜日のお昼までに、締切りがある仕事がふたつあるんです。」
リ「次に先方に会うのは、来週月曜の午前中だろう? その前に、レポート内容の提示の仕方について、君と戦略をしっかり練っておきたいんだ。だから、できる限りレポートの完成を早めてほしい。」
部「ありがとうございます。努力してみます。」
リ「早めるとしたら、いつなら可能?」
部「水曜日の午後なら他の業務が終了しているので、このレポートに集中することができます。ですから、木曜日の業務時間内にお渡しできると思います。」
リ「そのタイミングだったら金曜日に十分時間をとれるね。」
部「はい!レポートの完成ではなく、月曜のプレゼンが本当のゴールですものね!頑張ります。」
リ「素晴らしい!レポートを楽しみに待っているよ。」
コーチ型リクエストを身につけるためのミニワーク
上記の例では、コーチ型リクエストとして、どんなところが機能していたでしょうか?リクエストをさらに機能させるために、あなたなら加えてどんな関わり方をするでしょうか?
それらを参考に、実際に職場でコーチ型リクエストを実践してみてください。
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