マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!
3分間コーチの2つの時間(1) データベースをつくる&業務の流れに沿う
2018年04月26日
マネジメントにコーチングを取り入れようと思ったら、スキルを学ぶより何より、まずは部下と話す時間をつくること。たった3分でも充分です。3分間の積み重ねは、きっとあなたのマネジメントに大きな違いをもたらします。
3分間コーチは、〈 2つの時間 〉をとることを最優先させた、極めてシンプルなマネジメント手法です。
2つの時間
部下について考える時間をつくる。
部下と的を絞った短い会話をするための時間をとる。
まずは、この2つから。
部下について考える時間
部下のデータベースをつくる
部下がコーチを求めているとき(多くは、当の本人は気づいていませんが)をキャッチするためには、部下の日々の業務内容やその進捗状況を知っていることが前提となります。このとき、お互いの間に信頼関係が築かれていれば、もっといい。
そのためには、コーチングの時間をとると同時に、もうひとつの時間ー部下について考える時間をとることが必要です。何かあったときではなく、ふだんから、部下についてだけ考える時間が必要なのです。
ー 今、必要としているスキルは?
ー 強みは?
ー どんな能力を持っているか?
ー 今の仕事を選んだ動機は?
ー 過去の成功体験は?
ー 今、どういう状態にいるのか? どこを向いているか?
ー どんなときに、いちばん力を発揮するのか?
部下について考えるということは、部下のデータベースをつくることとイコールです。部下について知っておく必要のあることのリストをつくり、それを満たします。
部下と的を絞った短い会話をする時間
業務の流れに沿って、今、その場で、その瞬間に!
部下との時間をとるのに、わざわざアポをとったり場所をとったりする必要はありません。廊下で立ったままでも、相手のデスクの横でも、ときには電話でもいいでしょう。
〈 3分間コーチ 〉にとって大切なもうひとつのポイントは、仕事の動きを止めないこと、業務の流れに沿って行うことです。
部下が営業から帰ったとき、
「今日はどうだった?」
新しい役割にまだなじんでいないとき、
「仕事、慣れた?」
企画書を書いているとき、
「どこまでできた?」
業務の流れに沿って、今その場で、目の前に起こっていることについて話すこと、お互いに、見てわかる、聞いてわかる、触れてわかることをテーマにすること、これはコーチングの基本でもあります。この基本を満たすものであるとき、3分間の会話〈コーチング・カンバセーション〉は、新しい視点を持つのに十分な時間となります。
(『3分間コーチ ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術』より抜粋編集)
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