マネジメントに使えるコーチング

マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!


3分間コーチの2つの時間(4) 隙間時間 & 創造性を奪ってしまう質問

3分間コーチの2つの時間(4) 隙間時間 & 創造性を奪ってしまう質問
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マネジメントにコーチングを取り入れようと思ったら、スキルを学ぶより何より、まずは部下と話す時間をつくること。たった3分でも充分です。3分間の積み重ねは、きっとあなたのマネジメントに大きな違いをもたらします。

3分間コーチは、〈 2つの時間 〉をとることを最優先させた、極めてシンプルなマネジメント手法です。

2つの時間

部下について考える時間をつくる。
部下を的を絞った短い会話をするための時間をとる。

今回紹介するのは、こちらの2つです。

部下について考える時間

隙間時間に自分に問いかける

わかったつもりのままでいたり、知ることを面倒がったりせずに、ちょっとの隙間時間に、部下について考えることです。電車の中で、コーヒーを飲みながら、散歩しながら、机の前で。部下と実際に話す時間をとるのと同じように、部下について考える時間をとることです。具体的には、部下に関して、2、3のことを自分に問いかけてみます。

彼(彼女)は、

― どういうときにストレスを感じているか?
― どんな価値観を持っているか?
― 強みは何か?
― 仕事から、お金以外で何を手にしているか?

こうした質問をつくり、自分で答えてみます。このプロセスが部下について考えることにつながります。

そして、質問に答えられない、知らないということに気づいてはじめて、部下に対する興味、関心が湧いてきます。知らないことに気づくことが、次の行動へと人を動機付けます。

部下と的を絞った短い会話をするための時間

「イエス」を言わせるための質問が部下を萎縮させる

基本的には何を聞いてもいいのですが、気をつけなければいけないことがいくつかあって、その代表的なものが、相手が「はい」としか答えようのない質問をしてしまうことです。

実際、上司のする質問の多くは、部下に「イエス」を言わせるためのものです。

「仕事は順調か?」
「はい」

あるいは、自分の求めている答えに誘導するための質問もあります。

「今日もわたしのプレゼン、どうだったかな?」
「いやあ、さすが、感服いたしました」

これらを通して部下は学習します。「適当に答えておこう」「当たり障りのないことを答えておこう」

で、結局、上司は部下からほんとうに価値のある情報を引き出す機会を失うわけです。

正解だけを求められると、部下は萎縮してしまいます。それでは、部下を育てることはできません。創造性というのは、これまでの思い込み、枠を超えるときに生まれます。ところが、正しい答えを要求し続けると、創造性はどんどん萎縮してしまいます。

もし、部下の創造性を引き出そうと思うのであれば、「イエス」を要求しないこと。使えそうもないアイデアを1000は聞く覚悟がいります。

3分間コーチ
ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術

著者:伊藤 守
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン

(『3分間コーチ ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術』より抜粋編集)


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