マネジメントに使えるコーチング

マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!


3分間コーチの2つの時間(9) 部下がコーチを求めるとき & 仕事の開始時がベストタイミング

3分間コーチの2つの時間(9) 部下がコーチを求めるとき & 仕事の開始時がベストタイミング
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マネジメントにコーチングを取り入れようと思ったら、スキルを学ぶより何より、まずは部下と話す時間をつくること。たった3分でも充分です。3分間の積み重ねは、きっとあなたのマネジメントに大きな違いをもたらします。

3分間コーチは、次の〈2つの時間〉をとることを最優先させた、極めてシンプルなマネジメント手法です。

2つの時間

部下について考える時間をつくる。
部下と的を絞った短い会話をするための時間をとる。
さて、今回紹介するのは、こちらの2つ。

部下について考える

部下がコーチを求めるとき

一般的には、部下は、どんな場面でどんな内容についてコーチングしてほしいと望んでいるのでしょうか。

わたしたちの調査の結果、大多数の部下が、大きく分けて次の3つのフェーズにおいて、コーチングを求めていることがわかりました。

  • プロジェクトの開始時
  • プロジェクトの途中段階
  • プロジェクトが終了し、次のプロジェクトへ移行するとき

ここでいうプロジェクトというのは、特別なものではありません。単に、「仕事」と置き換えてもいいでしょう。

一日の業務をプロジェクトとしてとらえることもできるし、一つひとつの営業案件や会議などと考えてもいい。また、年度始まり、四半期、半期、年度終わりも、すべてプロジェクトの過程と考えることができます。

部下と的を絞った短い会話をするための時間

仕事の開始時がベストタイミング

実は、業務上で生じる課題というのは、ある程度決まっています。つまり、仕事の過程で、人が遭遇する課題というのは、だいたい予測がついているものです。

ということは、部下が課題に遭遇しコーチングを求める前に、上司から声をかけることは十分に可能だということです。具体的には、次のようなときです。

  • 新しいポジション(配置換え、昇進など)を与えられたとき
  • 新しい仕事や大きな仕事を与えられたとき
  • 目標設定をするとき
  • 営業やプレゼンテーションの前
  • 重要なミーティングの前
  • 事業計画を構築するとき

何であれ、新しい仕事を始める前というのは、コーチングに最適の場面となります。未知の世界に向かって行動を起こしていくわけですから、テーマとなることはたくさんあります。この時点でコーチングを受けることができれば、仕事の進行はスムーズなものとなり、成功する可能性も高くなるため、部下の多くもそれを求めています。

こうした場面では、仕事を成功させるだけでなく、その仕事を通して、どのような能力を身につけていくか、どれだけ成長するかについても話し合っておくといいでしょう。

(『3分間コーチ ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術』より抜粋編集)

3分間コーチ
ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術

著者:伊藤 守
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン


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