マネジメントに使えるコーチング

マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!


3分間コーチの2つの時間(10) 部下一人ひとりの課題 & 要望する

3分間コーチの2つの時間(10) 部下一人ひとりの課題 & 要望する
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マネジメントにコーチングを取り入れようと思ったら、スキルを学ぶより何より、まずは部下と話す時間をつくること。たった3分でも充分です。3分間の積み重ねは、きっとあなたのマネジメントに大きな違いをもたらします。

3分間コーチは、次の〈2つの時間〉をとることを最優先させた、極めてシンプルなマネジメント手法です。

部下について考える時間をつくる。

部下と的を絞った短い会話をするための時間をとる。

さて、今回紹介するのは、こちらの2つ。

部下について考える時間

部下一人ひとりの課題

〈3分間コーチ〉にとって大切なことは、何を話すかよりも、どんな場面で話すかです。その場面、瞬間をとらえ、会話の時間をとること。無理に時間をつくる必要はありません。たとえば、いっしょに会議に向かいながら、申請書を持ってきたとき、クレーム電話を受けたあと、、、今、部下が何をしているかを知っていれば、自然に声をかけることができます。

大切なのは、事が起こってからコーチするのではなく、事が起こる前に、予測し、それをコーチングすることです。

最初に課題やビジョンを明確にしてそれを共有していれば、いつでもそのことを話題にし、〈コーチング・カンバセーション〉を交わすことができます。

部下一人ひとりの課題を知り、その進捗状況を知っていれば、部下がコーチングを求めている瞬間に気づきます。そこでは、特に話題を考える必要もありません。話題は、すでにそこにあるのですから。

部下と的を絞った短い会話をするための時間

要望する

部下と「いい関係」を築くということは、部下におもねることでもなければ、言うべきことを言わないことでもありません。それはむしろ、あなたがして欲しいと思うことを真正面から〈要望〉することによって醸成されます。

多くの場合、上司は要望する代わりに、上から命令するか、会社の方針だからと相手に迎合するか、こうすべきではないかと正論を述べます。そうやって、部下を動かそうとします。はっきりと要望することを避けようとしています。上司もまた、部下からの「ノー」を恐れているからです。

しかし、ほんとうの信頼関係は、してほしいこと、してほしくないことを要望することによって築かれます。そもそも、コミュニケーションとは、相手に要望することなのですから。

話を聞いてほしいときには、

「わたしが話しているときには、こちらを見て聞いてください。」

後輩の育成を求めるのであれば、

「後輩の話を聞いて、彼を育ててください。」

納期を守らせたければ、

「納期を守ってください。時間どおりに出社してください。」

決して脅すのでもなく、命令するのでもなく、〈要望〉する。目を見て、はっきり〈要望〉する。

遠まわしな言い方ではなく、直接、毅然と要望する上司を部下は尊敬し、信頼します。

(『3分間コーチ ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術』より抜粋編集)

3分間コーチ
ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術

著者:伊藤 守
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン


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