マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!
事例で学ぶ3分間コーチ(2) 優秀な人材が退職を決めた理由
2019年02月07日
マネジメントにコーチングを取り入れようと思ったら、スキルを学ぶより何より、まずは部下と話す時間をつくること。たった3分でも充分です。3分間の積み重ねは、きっとあなたのマネジメントに大きな違いをもたらします。
「その人自身」の話を聞く
ニューヨークで行われたエグゼクティブ・コーチングの国際カンファレンスで興味深い発表を聞きました。アメリカのあるコンサルティング会社が、過去半年以内に自社を退職した社員について、退職の理由を第三者機関を使って調査した結果です。
なかでも印象的だったのは、同社のシニアパートナーだった女性のインタビュー結果です。その女性は、高い業績をあげ、社外、社内の両方から信頼が厚く、将来を嘱望されていたので、彼女が辞めたことは同社にとって大きな痛手でした。
仕事もうまくいっていたのに、なぜ、彼女は転職してしまったのか?
インタビュアーに語ったところによると、彼女は、半年にわたり外部のヘッドハンターから、ヘッドハンティングを受けていたそうです。ヘッドハンターは頻繁に電話をかけてきて、そこで、将来どうしたいか、何を実現させたいのかなど、彼女のビジョンについてたくさん話を聞いてくれました。そのヘッドハンターとの会話がきっかけとなって、彼女は将来について考えはじめ、そして、転職を決めたということでした。
最後に彼女は調査会社のスタッフにこういったそうです。
「社内には、そのヘッドハンターのように熱心に、わたしのビジョンを聞いてくれる人はいませんでした。そもそもわたしの話を聞くために時間をとってくれる人はいなかったのです」
(『3分間コーチ ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術』より抜粋編集)
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