マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!
3分間コーチの2つの時間(11) 最後に視線を合わせたのは? & 少し先の未来をイメージする
2019年02月21日
マネジメントにコーチングを取り入れようと思ったら、スキルを学ぶより何より、まずは部下と話す時間をつくること。たった3分でも充分です。3分間の積み重ねは、きっとあなたのマネジメントに大きな違いをもたらします。
3分間コーチは、次の〈2つの時間〉をとることを最優先させた、極めてシンプルなマネジメント手法です。
部下について考える時間をつくる。
部下と的を絞った短い会話をするための時間をとる。
さて、今回紹介するのは、こちらの2つ。
部下について考える時間
最後に視線を合わせたのは?
部下との信頼関係は毎日築いていくものですので、部下の一人ひとりについて、次のことをときどき振り返ってみます。
- 今日一日に部下の名前を何回呼んだか?
- 部下とどのくらい視線を合わせていたか?
- 部下にいちばん最後に自分の好意(承認)を伝えたのはいつか?
- 部下が昨日どんな洋服を着ていたか思い出せるか?
毎日見ているつもり、聞いているつもりになっていても、案外見ていないし、聞いてもいないものです。
部下と的を絞った短い会話をするための時間
少し先の未来をイメージする
ビジョンというのは、たった一人で目を閉じていれば、そこに浮かんでくるようなものではありません。それは、会話を通じ、問いかけを通じ、さまざまな可能性を思い描く過程で鮮明になっていくものです。
「ほかの選択肢はないの?」
「ほかの人の考えは聞いてみましたか?」
「1年後、2年後にどうなっていると思う?」
「3年後から今の自分を見ると何が見える?」
気づいているかいないかにかかわらず、わたしたちが行動を起こしているときというのは、すでに心にイメージを描いているときです。行動とイメージは、基本的にリンクしているものなのです。ですから、
ゴルフをするときに「どんなイメージ?」。
営業前にも「どんなイメージ?」。
日ごろから、「今、どんなイメージを持っているか?」について聞くことが、部下の行動を促す非常に効果的なコーチングとなります。
近い未来、2年後、3年後ーーー〈3分間コーチ〉として、上司はつねに、少し先の未来を話しましょう。未来を予測していくのです。ときには、未来から今を見ることも試みます。今の行動に結びつけていくのです。
いったん鮮明に絵が描けたからといって、それでおしまいにしてはいけません。放っておくとすぐ不透明になってしまいます。(イメージもビジョンも記憶できないのですから。)
このプロセスを継続的にやっていくことで、ビジョンが実現する確率は格段にアップします。
(『3分間コーチ ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術』より抜粋編集)
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