マネジメントに使えるコーチング

マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!


事例で学ぶ3分間コーチ(5) 売上げトップの店長が心がけること

事例で学ぶ3分間コーチ(5) 売上げトップの店長が心がけること
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マネジメントにコーチングを取り入れようと思ったら、スキルを学ぶより何より、まずは部下と話す時間をつくること。たった3分でも充分です。3分間の積み重ねは、きっとあなたのマネジメントに大きな違いをもたらします。


「わたしの仕事は、彼らが話してみたいと思わせること」

あるガソリンスタンドの店長は、スタンドの中をいつも忙しく動き回り、スタッフに声をかけます。彼が店長になるお店はつねに売り上げがトップになります。彼は当時弱冠26歳。

「今、お昼ごはんのことを考えていなかった?」
「いえ、考えていませんでした」
「そうか」

そう言って、他のスタッフのところへ行ってしまう。そして、また戻ってきて、

「今、頭に浮かんだこと、言ってみて」
「今ですか?」
「そうそう、頭に浮かんだこと、何でもいいよ」

彼は無理に返事を要求しません。たとえ挨拶をして返事がなくても、それをとがめることはありません。

挨拶に返事がなくてもいいのです。むしろ、返事がなくて不安になるのは上司のほうで、その不安を解消するために部下を叱ってしまうのです。でも、それでは、何のためのコミュニケーションかわからなくなってしまいます。

彼は言いました。

「わたしの仕事は、彼らが話してみたいと思わせること。そして、彼らが話すことを通して、自信を持って仕事ができるようにすることです。だから返事はなくても、とにかく声をかける。そして、少しずつ彼らについて知っていって、そして、少しずつ話をするようにするんです」


(『3分間コーチ ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術』より抜粋編集)

3分間コーチ
ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術

著者:伊藤 守
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン


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