マネジメントに使えるコーチング

マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!


3分間コーチ エッセンシャル(35) 新しいポジションが与えられるとき

3分間コーチ エッセンシャル(35) 新しいポジションが与えられるとき
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マネジメントにコーチングを取り入れようと思ったら、スキルを学ぶより何より、まずは部下と話す時間をつくること。たった3分でも充分です。3分間の積み重ねは、きっとあなたのマネジメントに大きな違いをもたらします。


できるだけ早く役割に順応し、パフォーマンスを発揮するには?

目標設定ほど頻繁ではないものの、より慎重に扱うべき場面が、異動や昇進に伴うコーチングです。

それらは、当の本人にとっては一大事、大きな変化なので、当然、大きなストレスが生じます。ハーバード大学が実施した調査では、マネジャーが新しい役割に適応し、十分に軌道に乗るまでには、15〜18カ月程度の時間がかかることが明らかになりました。(Industrial and Commercial Training volume36 Number 3 2004より)

では、マネジャーが、できるだけ早く役割に順応し、パフォーマンスを発揮するには、どんなサポートが可能でしょうか? また、新入社員が入社したときには、会社はどのような支援ができるでしょうか? 昇進や配置転換のとき、あるいは、特別な任務あるいは重要なプロジェクトのリーダーを任せるときはどうでしょうか?

もし、何の手も打たれない場合、たいていの人は、新しいポジションでの習慣に慣れたり、人間関係になじむことにほとんどの注意を奪われることになります。当然、その間、高いパフォーマンスを期待するのはむずかしく、結果、リスクも高くなります。

このため、異動先でできるだけ早く本来のパフォーマンスを上げられるよう、異動者のためのコーチングを実施している企業もあります。

そこでは、まず、異動前に、次の3つを明らかにします。

1異動先で求められる能力・業績について明確にする

2現在の自分の能力の棚卸し(総点検)をする

3異動先で起こりることについて想定する


コーチングは異動後も定期的に続けられ、行く前に想定していたことと現実に起こっていることの違い、ならびに、それらへの対応の可能性の有無について話し合われます。当然、仕事の内容だけではなく、そこでの人間関係についても扱われることになります。

このコーチングは異動の前に始まり、その場に慣れ、本来の自分のパフォーマンスが発揮されるところまで続きます。それによって、新しい環境に慣れるまでの時間を短縮させ、リスクを減らすことに成功しているわけです。


(『3分間コーチ ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術』より抜粋編集)

3分間コーチ
ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術

著者:伊藤 守
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン


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