マネジメントに使えるコーチング

マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!


事例で学ぶ 1on1(2) 「あなたにとっては、どんないいことがあるの?」

事例で学ぶ 1on1(2) 「あなたにとっては、どんないいことがあるの?」
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コミュニケーションの基本は「1対1」で向き合うところにあります。「1対1」が変わればチームが変わり、やがて組織にも変化をもたらします。そのためのヒントを「人を育て、活かす関わりに長けたリーダーたち」の事例に学びます。

事例2:「あなたにとっては、どんないいことがあるの?」

ある販売会社の女性マネージャーは、4年連続でいちばんの売り上げを続けています。

通常どの販売会社でも毎月部下と売上目標を設定します。

「今月の目標は?」
「100万円」
「そう、それじゃ、がんばってね」

これが一般的な目標設定のプロセスです。しかし、彼女はそこで終わりません。そこからコミュニケーションをはじめます。

「どうして目標は100万円なの? 会社はそれでいいと思うんだけど、あなたにとっては、どんないいことがあるの?」

「わたしにとってですか? そうだな、それで家のローンが払えるかな」 

「それはそうだけど、それはあたりまえのことだから、あなたが目標を達成する動機にはならないわ。あなたが、本当にやってみたいと思うような動機は何だと思う?」

この間、1時間半。ずっと話が続くわけではありません。沈黙が続く時もあります。

やがて、部下が話はじめます。

「そういえば、うちって週末ファミレスでご飯を食べるんだけど」
「うん」
「目標達成して給料が上がれば、週末、焼肉を食べに行きたいな、家族そろって」
「それ、いいね。応援するよ」

一般に目標は、会社が提示するか、個人やチームに目標を出させて、それに責任を持たせるという方法がとられます。目標を達成する会社側の理由ははっきりしています。

しかし、目標を達成する責任を担った部下の、目標達成の理由ははっきりしません。なぜその目標なのか? それを達成することの意味はなにか、それに焦点が当てられていません。多くのマネージャーは部下一人ひとりがどんな動機で仕事をしているのか、あまりよく知りません。

そのため、部下に対する動機づけもワンパターンになります。目標の数字も無味乾燥で、ただのプレッシャーになってしまいます。

もし、部下の仕事に対する動機を知ることができれば、数字は部下一人ひとりの意思や予定した行動の結果として、個人やチームにとってずっと身近なものになるでしょう。

(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)


■ TIPS for 「1on1ミーティング」

部下に「あなたにとっては、どんないいことがあるの?」を聞く

「1on1」はそれにぴったりの機会です。部下にとっての意味、ビジョンを一緒にじっくりと探求してみましょう。

自分にとっての意味や価値がはっきりすればするほど、取り組むスピードや意欲、楽しさ、そして効果も増していくはずです。


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