マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!
事例で学ぶ 1on1(3) ネイティブ・コーチに学べ!
2020年01月21日
コミュニケーションの基本は「1対1」で向き合うところにあります。「1対1」が変わればチームが変わり、やがて組織にも変化をもたらします。そのためのヒントを「人を育て、活かす関わりに長けたリーダーたち」の事例に学びます。
事例3:ネイティブ・コーチに学べ!
学校の先生、会社の上司や先輩、スポーツの監督やコーチ、そして医師やナースなどの中で、部下や後輩、選手やクライアントの自発的な行動を引き出したり、強みを見つけ出すのがとびぬけてうまい人たちがいます。
彼らに出会うと、勉強に対する意欲が上がり、問題に対する新しい視点を見つけることができます。自分に対する自信や信頼を高めていくこともできるようになります。
彼らのような人たちを「ネイティブ・コーチ」(もともとコーチの資質を持っている人)と呼んでいます。
彼らは潜在的にコーチングのスキルを持っています。彼らのメソッドにはそれぞれ特徴があり、共通する点が多く見られます。たとえば、人に物事を教えるときに、自分の考えや経験を押しつけるのではなく、相手の許容量や価値観などを聞き出しながら、彼らが自分から仕事についての情報をとり、自ら学べるようにします。また、目標やゴールについて折に触れて話題にし、焦点を絞っていきます。
そんなネイティブ・コーチが、
- 部下とどのように接しているか
- どんな会話を創り出しているか
それらを観察し、共通した特徴を集め、標準化したものが「コーチング」です。
大事なのは「なにが機能しているのか」
大事なのは、「コーチングとはなにか」ではなく、「なにが実際にうまくいっているのか」「なにが機能しているのか」という事実です。
これまで、コーチはごく一部のスポーツの先生にだけ、または、運のいい人だけが出会った、尊敬できる上司、または学校の先生でした。
しかし、今、私たちは、自分自身がネイティブ・コーチに近づいていく方法を発見しつつあります。
誰とどんな会話をしているときに
・アイディアが出やすいか
・行動しやすいか
・問題が解決されるか
などを振り返ってみると、身近なネイティブ・コーチの顔が浮かびませんか?
彼らを注意して観察すれば、ヒントが見えてくるはずです。
(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)
あなたが知っているネイティブ・コーチは?
今の職場、もしくは学校なども含め、これまでの人生であなたが出会ってきたネイティブ・コーチたちの言動からヒントを得てみましょう。
実在のネイティブ・コーチがすぐ浮かばないという方は、小説や映画などでネイティブ・コーチを探してみるのもひとつの方法です。
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