マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!
事例で学ぶ 1on1(4) アイディアを行動に移すプロセスを学ぶ場として
2020年01月30日
コミュニケーションの基本は「1対1」で向き合うところにあります。「1対1」が変わればチームが変わり、やがて組織にも変化をもたらします。そのためのヒントを「人を育て、活かす関わりに長けたリーダーたち」の事例に学びます。
事例4:アイディアを行動に移すプロセスを学ぶ場として
誰かに「動機づけ」されてから行動することに慣れてしまった社員は、「指示を待つ身体」になっています。どんなに能力があっても、それを発揮するためのスイッチを自分で持っていなければ、能力は埋もれてしまいます。
いっぽう上司も、部下をやる気にさせるのが仕事だと思い込んでいます。しかし、部下を伸ばし、活かす上司は、やる気になるのは「自分しだい」だということを知っています。したがって、普段から部下と接するときには部下に「考えさせ、選択させ、自分から行動を起こさせ」ます。
それは、毎日少しずつ積み重ねられるトレーニングです。
部下を伸ばし、活かす上司は、そのような主体性と自律性のある部下の育成とチームづくりを目指しています。
彼らが部下と話す目的は、部下が自分から行動を起こし、状況に合わせて行動を変えられるようにすることにあります。
ときに、話し合っただけで行動したような気になったり、議論した時点で問題が解決したと錯覚することがありますが、行動を起こさなかったり、行動を変えないときは、コミュニケーションが機能していないときです。
部下を伸ばし・活かす上司は部下に「質問」する
コミュニケーションが機能しているかどうかは、行動によって測ります。
一般に上司は部下を前にすると、自分の考えを話すことに終始します。
それに対して、部下を伸ばし・活かす上司は部下に「質問」をします。
「それを実現するために、いちばん最初にやれることはなんだろう?」
「想定できる障害にはなにが考えられる?」
「このことについて、誰がいちばんよく知っていると思う?」
彼らは質問を通して、部下に考えさせ、アイディアを創出させます。
同時に、そのアイディアを実現するための「質問」を連続してすることで、アイディアを行動に移す一連のプロセスを部下に学習させます。
そうすることで、自分で考え、選び、自ら行動を起こすことのできる自立性のある部下の育成を実現します。
(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)
質問の分量を増やしてみましょう
ぜひ次のページを参考に、相手が考えたり、アイディアを創出するのを助けるような質問を増やしていきましょう。
リーダーシップミニ講座
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