マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!
事例で学ぶ 1on1(6)ヒューマンモーメント=人間らしい関わりとは?(1)
2020年03月03日
ある販売会社の女性マネージャーは部下が営業から帰ってくると、
「一緒にコーヒーを飲もう」
と言って、自分でコーヒーを入れ、一緒に飲みます。部下が営業に行っている間、自分だけでコーヒーを飲むことはありません。
部下から日報が上がってくると、その全部に目を通し、赤ペンで感想を書いて返します。
部下が会社に言ってほしいことがあるというときには、かならずそれを会社に言います。そして、その結果、会社から思わしい答えが返ってこなかったとしても、そのとおりを伝える。
そうやって信頼され、関わりをつくっています。
部下を伸ばし、活かす上司は、会社の中でも「ヒューマンモーメント(=人間らしい関わり)」を大切にします。彼らにとって部下との関係は何にも増して大切なものです。彼らは、関係は偶然にできるものではなく、意図して創るものであり、労力をかけて余りあるものだという認識を持っています。
チームの目的は、目標の達成ではなく、目標に向かって一丸となることです。このチーム目標が満たされてはじめて、チームメンバーは、効率よく働けるようになります。とはいえ、実際の仕事では、本当にチームワークを必要とする場面はそう多くはありません。仕事はチームでやるより、ひとりでやる場合のほうが多くあります。
しかし、それでもチームワークは必要です。なぜなら、人は、強い絆で結ばれたチームの一員でいることに誇りを感じます。人といい人間関係を築くことのできた人たちは、「選ばれた者としての感覚」を持ちます。それは仕事、そして困難に立ち向かう「自信」の源になります。
(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)
●どのように「ヒューマンモーメント」を創り出していますか?
わざわざ変わったこと、奇抜なことをする必要はありません。普段から、小さな日常的な関わりを継続すること。そこにこそ「ヒューマンモーメント」が生まれます。部下との関係を築くために、どのようなヒューマンモーメントをつくり出していますか?
また、今後つくろうと思いますか?
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