マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!
事例で学ぶ 1on1(9)部下をどんな目つきで見ているのか
2020年04月23日
ある家電の販売店の店長は、会議が2時間あれば、1時間55分、自分で話し、部下から挨拶してこない限り、自分から挨拶することはありませんでした。
業績の低下は著しく、変化のきざしもないとき、私は彼に質問をしました。
「あなたは1日に何回、部下の名前を呼んでいますか?」
「部下をどんな目つきで見ていますか。どんな顔つきで見ていますか?」
「挨拶は、自分と部下ではどちらからしますか?」
「どんな方法で好意を示していますか?」
「部下を尊敬していることを、どのような方法で伝えていますか?」
「部下を仲間として、どのように受け入れていますか?」
彼には、この質問に行動で答えてもらいました。
イエス・ノーの答えではなく、思い当たったことをリストにして、全部行動に移してもらいました。
業績の変化が見えるようになるのに、およそ3ヶ月かかりました。
そして、店長は言いました。
「セカンド・シグナル100回、指示1回。これではじめて部下は自発的に動き出すスタートラインに立つのかもしれませんね。」
自分のほうから部下に声をかける。名前を呼ぶ、自分のほうから挨拶をする。また、そのときには単に言葉だけではなく、声のトーンや、顔つき、視線などで「セカンド・シグナル」を送る。
部下の自発的な行動を促すためにも、部下を気にかけ、ともに喜び、助けが必要なときは手助けをする、というメッセージを常に発信することが大切です。仕事の指示が通るかどうかは、セカンド・シグナルの頻度や質に負うところが多いものです。
(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)
●6つの質問に、あなたはどう答えますか?
質問について考えながら、思いついたことをぜひ今日から実践してみてください。
「あなたは1日に何回、部下の名前を呼んでいますか?」
「部下をどんな目つきで見ていますか。どんな顔つきで見ていますか?」
「挨拶は、自分と部下ではどちらからしますか?」
「どんな方法で好意を示していますか?」
「部下を尊敬していることを、どのような方法で伝えていますか?」
「部下を仲間として、どのように受け入れていますか?」
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