マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!
事例で学ぶ 1on1(11) 「がんばってね!」では「がんばれない」のはなぜか?
2020年05月07日
部下やクライアントから信頼されているマネージャーや上司がどのような態度をとり、どのようなコミュニケーションを交わすかについて観察していると、実は微妙な違いがあることに気づきます。
ふだん、私たちは、なにげなく、「がんばってね」と言います。
しかし、女性販売員を統括し、4年連続で売り上げをナンバーワンを実現しているあるマネージャーは、部下に向かって「がんばってね」とは言いません。
その代わり、彼女は部下に「がんばっているね」と言います。
「がんばってね」と言うほうはそれが励ましだと思い込んでいますが、言われるほうは、毎日家でも外でも、すでに十分がんばっているのです。そこでまた「がんばってね」と言われると、「自分はまだがんばりが足りないんだ」、そう思ってしまうこともあります。
「がんばってね」と言われれば、「はい、がんばります」とは言いますが、内側ではいっぱいいっぱいになっているものです。
わずかに「る」が入るか入らないかの違いですが、部下は安心します。マネージャーは自分ががんばっているところを見ていてくれる。また十分評価してくれている、と受け取り、「安心」します。だから彼らは、「心意気」を持って仕事をします。
売り上げや利益率は、偶然ではありません。運がいいからではないのです。
場に安心感をもたらし、部下との関係を日々築いている結果なのです。
(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)
●自分の「声がけ」を振り返る
あなたがふだん、部下によくしている声がけをリストアップします。
もし、自分がその言葉をかけられるほうだったら、どんな気持ちになるでしょうか?
それをもとに、必要に応じて「言葉がけ」を変えてみましょう。
※営利、非営利、イントラネットを問わず、本記事を許可なく複製、転用、販売など二次利用することを禁じます。転載、その他の利用のご希望がある場合は、編集部までお問い合わせください。