マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!
事例で学ぶ 1on1(12) 視線で安心感を与える
2020年05月11日
核家族が進んだために、最近の子どもたちが祖父母と暮らす機会はずいぶん減りました。親が子どもと接するのと、祖父母が子どもと接するのでは、違いがあります。親には教育というミッションがありますが、祖父母にはその義務はありません。ただ孫をかわいがるだけでいいわけです。
その祖父母の子どもを見る目は、子どもに「いつだって愛されている」「いつだって好かれている」という思いを抱かせます。そういう目で見られる経験は、大人になって「いわれなき万能感」につながると言われています。窮地に立たされたときでも、「自分は大丈夫だ」となぜか特に根拠もないのにそう思えるのだそうです。
その背景には、祖父母の視線を通して、「無条件に愛された」という意識が育まれたためだと言われています。その頃の祖父母の目を、「エンジェル・アイズ(天使の目)」と言います。
では、「上司」は、どんな目で部下を見るのがいいのでしょうか。
もし自分の上司から、取調室の刑事のような目、地獄の入り口の閻魔様のような目、興味のなさそうな目。
そんな目で見られたら、ほとんど意気消沈してしまいます。
確かに仕事や職場では、ある種の緊張感は必要です。プロとしてやるべきことはやるべきです。しかし人は、ベースに「安心感」があってはじめて、自発的な行動を起こせるようになります。安心感は単に言葉だけで作られるものではなく、目の前の人の「視線」が大きく影響しています。
(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)
●鏡で「目」をチェック!
鏡に自分を映して、自分が普段どんな目をしているのか観察してみましょう。また「エンジェル・アイズ」のまなざしができるかどうか、試してみましょう。
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