マネジメントに使えるコーチング

マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!


事例で学ぶ 1on1(14) 名前を覚え、ビジョンを知る

事例で学ぶ 1on1(14) 名前を覚え、ビジョンを知る
メールで送る リンクをコピー
コピーしました コピーに失敗しました

300人を部下に持つレンタルビデオショップの店長は、部下全員の名前を知っています。その店はごくわずかな正社員と、あとはほとんど学生のアルバイトで占められています。それでも彼は全員の名前を知っていて、一人ひとりを名前で呼びます。

それだけではありません。その学生一人ひとりの将来のビジョンも聞いています。卒業してどんな仕事をしてみたいか、なにになりたいのかについて。

もちろんうまく話せないアルバイトもいるのですが、自分の夢を聞かれることで、関係は密になるといいます。また彼らの将来に対するビジョンを聞くことで、仕事を振るときも、それを考慮して振るそうです。

彼は売り場をまわりながら、

「風邪治った?」
「最近の仕事の自慢はなに?」

と聞いてまわります。

アルバイトの仕事が終わって帰るときに5分ほどの終礼を持ちます。そこで彼は、
「今日した活躍はなに?」
「お客さんに喜んでもらえたことはなに?」
「喜んでもらえるアイディアある?」

などと問いかけ、彼らからさまざまなアイディアを引き出します。そして、そこで出てきたアイディアをすぐに取り入れるのです。

たとえば、「リサイクル売場」と命名していたフロアについて、アルバイトさんから、「中古売場」のほうがわかりやすいのではないか、という意見が出たのだそうです。そこですぐに、そのアルバイトさんをキーパーソンにして、店頭調査を行うことを決め、次の日には、300名の人に店頭アンケートを実施したのです。アルバイトは、自分の意見が取り入れてもらえること、自分の力が発揮できることをとても喜びます。

その結果、アルバイトの定着率はよく、正社員と変わらない働きをしてくれるそうです。この話をしている間、彼はずっと「アルバイトさん」と言いました。部下について深く知っているだけではなく、人に対するリスペクト(敬意)を忘れていないのです。

(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)

■ TIPS for 「1on1ミーティング」

●リスペクト(敬意)を示す

あなたはふだん、部下やチームメンバーにどのように敬意を示していますか?
ぜひその機会やバリエーションを増やしてみましょう。また、あなた自身はどんなとき、敬意をもって関わっていると思いますか?
そう思えたのは相手のどんな態度・行動でしたか?そのあたりも参考にしてみましょう。


※営利、非営利、イントラネットを問わず、本記事を許可なく複製、転用、販売など二次利用することを禁じます。転載、その他の利用のご希望がある場合は、編集部までお問い合わせください。

この記事を周りの方へシェアしませんか?

この記事はあなたにとって役に立ちましたか?
ぜひ読んだ感想を教えてください。

投票結果をみる

事例で学ぶ 1on1

コーチング・プログラム説明会 詳細・お申し込みはこちら
メールマガジン

関連記事