マネジメントに使えるコーチング

マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!


事例で学ぶ 1on1(16) コミュニケーションのプラットフォーム

事例で学ぶ 1on1(16) コミュニケーションのプラットフォーム
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ネイティブ・コーチは部下ひとりひとりとのコミュニケーションを大切にしています。また、いっぽうで、チームのメンバー間のコミュニケーションを活性化させることに尽力します。彼らはチームをコミュニケーションの「プラットフォーム」として位置づけています。

コンサルタント会社のあるマネージャーは、経費節減という会社の方針を実行するために、派遣社員やアルバイトの人たちを集めて会議をしました。彼女は、経費節減について会社の方針を伝達するのではなく、彼らに質問をします。

「経費節減のためにどんなことができると思いますか? あなたの考えを聞かせてください。」

それによって、経費節減に関するたくさんのアイディアを彼女は手にしました。その会議での成果は、アイディアだけではありませんでした。会議に出席した人たちは、経費節減に関するおたがいの意見を交換する過程で、経費節減の必要性を理解し、経費節減の方法を学習しました。それによって、ひとりひとりの自発的な経費節減へ向けた行動を引き出すことに、彼女は成功しました。

ミッションステートメント、コンピテンシー、経営品質、どれも大切です。しかし、それを話題にしなければ、社員の意識は上がりません。それを連呼したり、社員に暗記させたりするだけでは、本来の目的を達成することはできません。ミッションステートメントもコンピテンシーも、社員ひとりひとりの行動に表れるべきものです。彼らがそれを自分のこととしてとらえ、自発的な行動をとれるようにすることです。そのためには、それを常にチーム内で「話題」にする。それについて話し合い、情報を咀嚼し、自分に合った形で取り入れていけるようにする。

チームとは、チームメンバーひとりひとりが、仕事を理解し、行動に移すためのコミュニケーションを交わす「プラットフォーム」です。また、仕事や、自分の仕事ぶりに関する、フィードバックを受け、自分の行動を修正するためのコミュニケーションを提供しあい、コーチしあうことができる、学習のためのコミュニケーションを交わす「プラットフォーム」でもあります。

(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)

■ TIPS for 「1on1ミーティング」

●何を話題にしますか?

1on1ミーティングやチームミーティングで、何を話題にしますか?
リストアップしてみましょう。そして、その話題を共に考え、話し合う機会を意識的に持ってみましょう。


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