マネジメントに使えるコーチング

マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!


事例で学ぶ 1on1(17) 自ら考える機会を与える

事例で学ぶ 1on1(17) 自ら考える機会を与える
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会社に期待の新人がやってきました。一流高校から一流大学へ、そして海外留学。高学歴、英語堪能の大型新人です。



あるとき、仕事上で特殊な電池が必要になり、上司が彼にそれを買ってきてほしいと依頼しました。上司が、「Aという店にならあるだろう」と言うと、彼ははりきって出かけていきました。しばらくすると、彼が手ぶらで戻ってきました。上司がいったいどうしたのかと聞くと、「Aという店にはなかったんです」と答える。

特殊とはいえ、専門店であれば置いてあるような電池です。上司は別の店に行ってみるという知恵はないのかと思いつつ、「Bという店ならあるかもしれない」と言いました。しばらくして、彼はまた手ぶらで戻ってきます。そして「Bという店にもありませんでした」。上司は彼のあまりの気の利かなさにあきれて、ついに「すぐに秋葉原に行ってこい!」と怒鳴ってしまいました。



これは、実際にある会社で起こった話です。上司が彼に望んでいたのは、電池を手に入れることであり、Aという店やBという店に行くことではありません。

確かに、彼は言われた通りのことをしたかもしれません。しかし、その状況で望まれていることを達成するために、自分の頭で考え、適切な行動をとるという判断ができなかったわけです。彼は優秀な人材ですが、不測事態対応能力はきわめて低く、有能さに少し欠けていたかもしれません。

今求められているのは、自分の頭で考え、行動することができる人

今求められているのは、自分の頭で考え、行動することができる人です。しかし、指示命令型のコミュニケーションを続けていると、部下は自分で考えることをしなくなります。指示命令型をすべて否定するわけではありませんが、部下に考える機会を与えずに「言われたことしかできない」と嘆くのは、矛盾しています。

上司に求められているのは、部下に自分で考えさせる機会を与えることです。アイデアはイコール行動なのです。アイデアを出させる、次にそのアイデアを実行に移すアイデアをまた出させる。そうしてはじめて、自分で考え、自分で行動できる部下が育ちます。また不測の事態に対応できる部下を育てることができます。

(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)

■ TIPS for 「1on1ミーティング」

●普段から問いかける

不測事態にいきなり「考えること」を求めても、それは難しいもの。

ふだんから、そして、できれば気軽なテーマから、「共に考える経験」を積み重ねることで、不測の事態や難しい状況でも「考えること」ができるようになります。

ぜひ日頃から、相手が考えるための関わりの量とバリエーションを増やしていきましょう。


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