マネジメントに使えるコーチング

マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!


事例で学ぶ 1on1(23) 問題は「今、ここで」話し合う

事例で学ぶ 1on1(23) 問題は「今、ここで」話し合う
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飲料販売会社のあるマネージャーは、部下のほうから「マネージャー...」と声をかけたきたときは、「失敗した!」と思うのだそうです。

部下のほうから声をかけてきたときには、たいてい問題はすでに複雑になっていて、その問題を解決するには多くの時間を必要とします。また、おたがいの関係をもういちど創り直さなければならないのです。

「常に観察していて、こちらから声をかけるんです。そして、問題が表面化する前に、問題を見つけ、その場、その場で問題解決をする。そのためには、いつも自分のほうから声をかけるように心がけています」

「私の目を見て、挨拶したり、話したりしなくなったら、その場で二人になって話します。それをそのままにしておくと、あとでこじれるんです」

チームのコミュニケーションモデルは、そのチームのマネージャーによって創られます。マネージャーが権威的な問題解決に頼らず、1対1のコミュニケーションにコミットする姿勢は、部下に安心感を与えます。1対1になることで、マネージャーも、部下も、ひとりの人間として言葉を交わすことができます。

また、おたがいを理解する機会にもなり、たとえ考えかたや、やり方が違っていたとしても、人間的な関係をそこで築くことができれば、違いは受け入れ可能なものです。

問題を先延ばしにせず、今ここで解決しようとする態度は、部下との間に信頼関係を築くことにつながります。また、今ここで解決する、という態度は、未来に希望をもたらします。今ここで完了させれば、「新しくスタートできる」という意識を生むからです。

いちばんいいときは、「今、ここで」です。

リーダーやマネージャーには「今、ここで」をつかまえる「センス」と「勇気」が求められています。

(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)

■ TIPS for 「1on1ミーティング」

●「今、ここ」をつかむ

定期ミーティングや次の1on1まで待つ必要はありません。
いつも以上に、部下をよく見て、よく聞いて「今、ここ」をつかまえてみましょう。
その積み重ねが、定期ミーティングや1on1の質も高めることにつながります。


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