マネジメントに使えるコーチング

マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!


事例で学ぶ 1on1(27) 任せかたを間違えたマネージャーが「怠ったこと」とは?

事例で学ぶ 1on1(27) 任せかたを間違えたマネージャーが「怠ったこと」とは?
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コンサルタント会社のあるマネージャーは、データベースの構築を部下に任せたところ、その部下がシステムの製作会社との交渉、契約を曖昧に結んでしまったために、結局使えないシステムに、製作費を支払う、という失敗を経験したことがあります。部下は、上司の許可を取り、進捗状況を説明したと言い、上司は話が違うと言います。


確かに、マネージャーは任せました。
しかし、マネージャー自身、日々の仕事が忙しく、そのシステムについて勉強する時間もなく、部下の報告のほとんどは理解できていなかったのでしょう。しかし、マネージャーは部下から決裁を求められ、「YES」とその場の都合で言うほかありません。その結果、会社は大きな損害を被ります。

もちろん、部下は、上司がわかるように、説明する義務があります。とくにシステムに関しては、専門用語も多く、多くの上司は部下の説明していることのほとんどが理解できない場合もあります。ゆえに、上司のわかる言葉を使うという了解を、部下から取っておく必要もありました。

事前の同意事柄の確認、基準の確認、進捗状況の報告、意思決定、これらすべてのポイントで、コミュニケーションが交わされていなかった、またはゼロであったために起こっている失敗です。

任せるとは、実権を委ねること

任せるとは、実権を委ねるということなので、下手に口出しはできなくなります。マネージャーとしてコントロールをするためには、あらかじめ、タスク内容や報告スケジュール、情報源、成功を確認する基準などを設ける必要があります。これらに関して部下とコミュニケーションを交わし、同意を得なければいけません。

失敗のほとんどは、そうしたコミュニケーションが不足しているところから生じます。

(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)

■ TIPS for 「1on1ミーティング」

●任せるとき、任せたあとのコミュニケーションを見直す

任せるとき、そして、任せたあとのコミュニケーションの機会と内容は十分でしょうか? 見直して、足りない機会、内容があれば設けるようにしましょう。このとき、部下に「チェックされている」「信頼されていない」と思わせては逆効果です。部下をうまくいかせるための関わりであることを、まずあなた自身の中で確認してからコミュニケーションを行いましょう。


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