マネジメントに使えるコーチング

マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!


事例で学ぶ 1on1(29) 「存在」と「スキル」を混同させないために

事例で学ぶ 1on1(29) 「存在」と「スキル」を混同させないために
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人は仕事上のスキルや能力を批判されると、自分の存在そのものを批判されていると感じます。


「仕事できないねー」という言葉は、受け止めかたによっては、

「お前って、価値のない人間」

「ここではいらない人間」

そうも聞こえます。


楽観的な資質を持った人であれば、批判されているのは自分のスキルであり、自分自身ではない、と考えることができます。

しかし、悲観的な人は、「スキル=自分」になってしまい、批判は直接自分に向いていると思いがちなのです。そして、悲観的なものの見方をする人は決して少なくありません。むしろ、楽観的な人の数のほうがずっと少ないものです。

怒ったり、批判したり、評価するときには、部下の「存在」と「スキル」を分けて扱うというスタンスと、部下の「存在」を受け入れるという「意図」を事前に伝える気配りが必要です。

自分の存在と自分のスキルに距離が持てない部下には、ティーチング(教育)がいります。スキルと、人そのものの価値はイコールではないことを理解させなければなりません。そのうえで、スキルや知識が足りない場合には、どの知識が、どのスキルが足りないかをはっきりさせます。

(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)

■ TIPS for 「1on1ミーティング」

●自分の言葉遣いやあり方もチェック!

上司自身、相手の「スキル」と「存在」を混同してしまっていないか、時々確認する必要があります。

もし無意識に混同してしまっていると、言葉遣いや態度で伝わってしまうものです。

部下の「スキル」と「存在」は別物であることを、上司自身がまずはっきりと認識、区別する必要があります。


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