マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!
事例で学ぶ 1on1(32)「聞く」には脳のトレーニングが必要
2021年01月05日
人の話に集中できる時間はせいぜい5分でしょう。外から見ただけでは、分かりませんが、5分を過ぎたあたりから、頭の中の「お散歩」がはじまります。
話し手の声を聞きながら、まるで関係のないことを考えることができます。したがって、聞く以前に、興味を持って聞けるスキルが必要になるということです。聞くためには、非常に複数の視点を内側に取り込んでおかなければなりません。
聞くのはその場の仕事ではありません。聞けるようになるためには、事前のセットアップが必要です。その一番目は、「どんなポリシーを持って聞くか?」にあります。
漠然と聞いてしまえば注意を失い、簡単に人やその人の言っていることに対する興味を失ってしまうでしょう。「聞ける」ようになるためには、トレーニングが必要です。それも耳のトレーニングではなく、脳のトレーニングです。
- 相手が自由に思ったことを話せるようにする
- 相手が話してよかったと思ってもらえるような聞き方をする
- 会話は楽しいと思ってもらう
そのために何ができるかを考えます。ポリシーなく相手の話を聞けば、間違いなく相手に対する興味を失い、相手にとっても自分にとってもつまらない時間になってしまうでしょう。
それよりは、コミュニケーションの「イニシアチブ」を自分がとり、相手が「この人に話してよかった」と思えるような聞きかたを、最初に予定することです。
- どんな表情で聞いたらいいいか
- 相づちは
- 集中を失いそうになったらどうするか
- 話を促すためにはなにができるか
- 沈黙はどう扱うか
部下との話をはじめる以前に、部下とのコミュニケーションははじまっています。言うまでもなく、コミュニケーションのイニシアチブはマネージャーにあります。コミュニケーションはマネージャーの意図する方向に向かって動きます。
部下とのコミュニケーションは、最初から最後までマネージャーの責任なのです。
(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)
●自分自身の「聞くための●カ条」を決める
1on1で、部下が「この人に話してよかった」「もっと話したい」と思う聞き方とは、具体的にどんな聞きかたでしょうか?
自分なりの「聞くための●カ条」をつくり、1on1をはじめる前に確認するようにしましょう。
できれば、部下に自分の話の聞き方について、フィードバックをもらいましょう。
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