マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!
事例で学ぶ 1on1(39)エネルギー源は信頼や協力関係
2021年04月06日
これまで、私もいくつかの会社を興しました。起業した当初は、お金、経験、知識すべて不足しています。それでも、それをしのぐ、立ち上げに関わった仲間同士の強い絆がありました。損得を超えた関係がエネルギー源になり、いくつもの不可能を可能にします。
やがて少しずつ会社が立ち上がり、会社らしくなった頃に、業績が停滞してきました。原因はいくつか考えられますが、いちばんの原因は、最初にあったおたがいの信頼や協力関係が薄れてくる。それがエネルギー源であることに気がついていなかったことにあります。
二年経っても三年経っても、最初の頃の関係がなんの努力もなく続くものだと勝手に思い込んでいるものです。
事業を発展させると同時に、より強固な信頼関係、協力関係を築かなければならなかったのです。しかし、エゴやプライドの処理ができず、またソフトスキル(自己認識、他者への共感、自己規律、動機づけ、フィードバックを受ける)が低く、単にビジネスそのものがうまくいけば、すべてがうまくいくと信じ込んでいるわけですから、ソーシャルキャピタル(社会関係資本)https://coach.co.jp/ecoaching/20200522.htmlの指数は限りなく下がってしまったのだと思います。
ご存知のように、いちど関係が思わしくなくなると、それを修正するのには、新しく会社を起こすよりも多くの労力がかかります。たとえ会社そのものが存続したとしても、大きく発展するチャンスを失うことになります。ソーシャルキャピタルは短期間で作り上げることのできるものではありません。日々社内で、チーム内で積み重ねていくものです。まさに「関係」は「資本」であるという認識を最初から共有している必要があるのだと思います。
(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)
●信頼関係、協力関係を築くためにどのくらい力をかけていますか?
メンバー一人ひとりと、そして、チーム内に、信頼関係を築き、育み続けるための関わりと時間を確保しましょう。
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