マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!
事例で学ぶ 1on1(41)チームは会社の中の「会社」
2021年05月18日
20年近く組織で働いて、その後コンサルタントとして独立した友人が、あるときふと言いました。
「ひとりで仕事をしていて、それはそれでいいのだけれど、以前のように、チームメンバーと思いっきり仕事がしてみたいと思うことがあるんだよ」
独立して成功している彼からそれを聞いて、少し意外だったので、聞いてみました。
「どうしてそう思うのかな?」
すると彼は言いました。
「全部自分の采配で仕事ができるのはとてもいい。それは、会社にいるときとあまり変わらないと思う。会社にいるときも、仕事そのものはひとりでやっているわけだからね。でもね、仕事をするときの、何か、エネルギーは最近は少し薄いような気がする」
「それは、どういうこと?」
「あの"チームの一員である"という自負心は、仕事をするときのエネルギー源だと思う。家族のためや将来のためにも働くけど、あのチームの一員であるという意識は、また別の仕事への動機づけになっていたと思う」
彼は続けて言いました。
「それから、毎日会社に行って、気安く話したり、仕事について丁々発止やり合ったり、帰りにチームのメンバーとビールを飲むこと。それは、とても、とても楽しいことだったんだと思うよ。それから、チームメンバーと、関わりを自分でも創り上げたという誇りもあったと思う」
(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)
●チームについて問いかける2
「チームから今、どんな影響を受けている?」
「チームに今、どんな影響を与えている?」
「自分たちのチームをどんなチームにしたい?」
こうした質問を自分自身、そして、チームメンバーの一人ひとりに問いかけてみましょう。
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