部下などに対するコーチングの実践やセルフコーチングに使えるさまざまなツールを紹介するコーナーです。ツールをうまく使いこなして、コーチングをレベルアップさせましょう。
ワークシートで自分を再発見! 自己認識が上がれば、何かが変わる
2019年01月22日
「自分」というリソースを理解する
「あなたってどんな人?」
あなたなら、この質問にどのように答えますか?
コーチングを受けた人が成果のひとつとして挙げることの多い「自己認識の向上」。自分自身のことというのは、知っているようでいて、意外に理解・言語化できていないものです。自己認識が上がると、人との関わり方・物事の取り組み方に影響し、結果として成果にも変化が現れます。
しかし、自分のことというのは、一人で考えていても、見えてくるのは限られた部分だけ。「自分には見えてない自分」を知るには、自分以外の視点の活用が有効です。最も効果的なのは、誰かと話すること、とりわけフィードバックをもらうことですが、いざとなると、かなり勇気がいることでもあります。
そこで役立つのが、「ワークシート」という外部視点。
今回は、プロコーチ、自己認識向上に活用するワークシートを、いくつかご紹介します。
あなたには複数の顔がある!?
役割ごとに考えてみる
自分は「モノ思考」か「ヒト思考か」、「結果主義」か「プロセス主義」といった自問自答。はっきり答えが出る場合もあれば、どちらの面もあるな、、、と決めきれないこともありませんか。それは自然なことです。
私たちは、いろいろな役割を担って生きています。たとえば、仕事とプライベートでは判断の優先順位や行動パターンも変わります。そんな「複数の顔(役割・立場)」に注目したのが、こちらのワークシートです。
あなたの能力と資質(Test.jp 内「コーチヴィル」より)
このワークシートを使って、「個人」、「職業人」の両方の観点から、能力、業績、資質について5つずつリストアップしてみましょう。自分のことを複眼的に理解することに役立ちます。
また、どんな能力、どんな業績を選んで書くのか、その選択からも、自分自身が「個人」または「職業人」として何を大切にしているかが見えてきます。
視点に偏りはありませんか?
「ポジティブ」「ネガティブ」ともに受け入れる
「あなたってどんな人?」
この質問への答え方には、大きく分けて2つの傾向があるといえるでしょう。自分の強みやよいところ、魅力といったポジティブな側面に焦点を当てて答えるか、自分の課題や弱点といったネガティブな側面に焦点を当ててて答えるかという2つです。ちなみに、あなたはどちらの傾向が強いですか?
ポジティブな面もネガティブな面も、どちらもあなた自身です。このワークシートは、自分自身の「ポジティブな面」「ネガティブな面」の両方について考えることを促します。
セルフイメージ・インベントリー(Test.jp 内「コーチヴィル」より)
「ポジティブ」、「ネガティブ」の両面から自分を見ることは、総合的な自己認識を促すだけではなく、視点の広がりも提供してくれます。たとえば、「行動が遅い」というと一見ネガティブな印象がありますが、一方で「思慮深い」「リスクマネジメント能力が高い」と読み換えることもできます。ポジティブはネガティブのヒントでもあり、ネガティブはポジティブのヒントでもあるのです。
それは「事実」?それとも「願望」?
過去という「事実」を手がかりにする
自分について考えているときに、往々にして起こるのが「事実」と「願望」の混同です。「自分とはどんな人か」について考えているときにはずが、いつの間にか「こんな人だったらいいな」という願望に変わってしまうのです。そんなとき、手がかりとなるのが「過去」という事実です。
本当の自分とは? (Test.jp 内「コーチヴィル」より)
このワークシートでは、過去の自分を振り返り、自分が実際にとった行動や経験した出来事を通して、「自分とは?」を探求します。このワークシートでは「子どもの頃」にフォーカスしていますが、学生時代や仕事を始めたころ、前の会社にいたときなど、過去であればいつに設定してもかまいません。
注意したいのは、あくまでも「その時点」の自分について考えるということ。リストアップしたものには、今でもフィットするものもあれば、違和感(それは時に成長)を感じるものもあるでしょう。そうしたギャップ自体も、今の自分、さらには自分がこれから目指したい未来像を知る手がかりにもなります。
こうしたワークシートのもうひとつの使い方
いかがだったでしょうか?
さて、こうした自己発見のためのワークシートは、他人からフィードバックをもらうときにも役立ちます。
「私ってどんな人?」
「私の強みって何?」
「私が改善するといいことって?」
そんな風に漠然とした質問を投げても、相手は答えにくいかもしません。こうしたワークシートを間に置いて具体的な質問をすると、相手も答えやすくなるでしょう。
こうしたワークシートをきっかけに、「自分」というリソースを探求してみましょう。
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