部下などに対するコーチングの実践やセルフコーチングに使えるさまざまなツールを紹介するコーナーです。ツールをうまく使いこなして、コーチングをレベルアップさせましょう。
「自己認識」向上シリーズ(18)〜自分の「リソース」に気づく・つくる
2021年08月12日
近年、リーダーに不可欠な能力として注目されている「自己認識力」の向上をテーマに、役立つツールを毎回テーマ別にご紹介。
今回のテーマは、「リソース」です。
ここでいう「リソース」とは、"その人の持つ知識、スキル、ツール、経験、ネットワーク、および、それらのリソースにアクセスできる能力、スキルをいち早く身につけるスキルなど"です。(『3分間コーチ ひとりでも部下がいる人のための世界一シンプルなマネジメント術』より)
そうしたリソースは、行動や目標達成に向けての文字通り「資源」です。
ところが、私たちは自分のリソース自体に気づいていないことも少なくありません。
そこで、今回は、「リソース」に目を向けるためのコーチングツールを2つご紹介します。
今はまだ眠っている「リソース」を掘り起こし、活かす機会としていただければ幸いです。
カギは、経験の中にあり!
「あなたのリソースは?」と聞かれて、あなたはどのくらいさっと答えることができるでしょうか?
もし言葉につまるなら、こちらのツールで、具体的な棚卸しにぜひ取り組んでみてください。
あなたの能力と資質(Test.jp 内「コーチヴィル」より)
このツールでは、"個人から視点" 、"職業人からの視点"の両方で、あなたの能力、業績、資質について書き出します。
改めて書き出す機会を持つことで、おそらく、思ったよりたくさんのリソースを持っていることに気づくはずです。
このツールがユニークなのは、"個人の視点"でも考える点です。
リソースというと、私たちは "職業人としての自分" に目を向けがちですが、プライベートで発揮している力や経験に目を向けることで、いつもとはちょっと違った見方で自分を振り返り、新たなリソースに気づくきっかけを得ることができます。
また、このツールで興味深いのは、「業績」という「経験」にも目を向けることです。
能力、スキルといった抽象概念をいきなり探るのではなく、経験を通して、具体的に考えることで、あなたが自然と発揮している強みや無意識に使っているスキルの特定がしやすくなります。
その点ではぜひ、周りの人からのフィードバックも、もらってみてください。
強みや業績の中には、自分にとってはあまりに当たり前のために気づきにくかったり、他の人から伝えられることではじめて認識できるものもあります。そうした無意識のリソースに気づくことで、より意識的にリソースを活用していくことができます。
リソースがあるのは、自分の中だけではない!
私たちは、リソースを自分の「内側」に見出そうとしがちですが、実は、自分の「外側」にもリソースはあります。
それが、他者との「つながり」や「関係性」です。
そこで紹介したいのが、こちらです。
基盤を支える人的ネットワークを築く(Test.jp 内「コーチヴィル」より)
このツールでは、まず、現在のネットワークの状態を、次のようなセルフアセスメントを通して確認します。
- 私は、大きな問題やトラブルが起こったときに、相談できる人を持っている
- 私には、ブレーンストーミングの相手となってくれる協力者がいる
- 私は、目標達成のためのサポーターを持っている
また、セルフアセスメントでは、次のような「ネットワークを構築するために必要な力」についても合わせてチェックします。
- 私は、感謝の念を持って人と接している。「ありがとう」を心から伝えている
- 私は、人に興味、関心を持っており、相手の名前をよく覚えている
- 私は、人との距離感をうまくコントロールすることができる
他者とのつながりや関係性は、いわば、"別の視点を持つことができる"という貴重なリソースであり、また、そうした"ネットワークをつくり、維持する力"も重要なリソースです。
さらに、このツールでは、新たにつながって関係を構築したい人(もしくは人物像)を明らかにしてリストアップし、実際に自分のサポーターになってもらうべく依頼する「サポーター100」の取り組みも紹介もされ、さらなるリソースを獲得していくことも促されます。
いかがでしたか?
まずはぜひ自分について活用してみてください。
そして次に1on1ミーティングなどで、次のリーダー候補やマネジメントに関わる部下とも活用してみてください。
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