部下などに対するコーチングの実践やセルフコーチングに使えるさまざまなツールを紹介するコーナーです。ツールをうまく使いこなして、コーチングをレベルアップさせましょう。
ネットワークを棚卸しして、可能性を開く!
2019年07月16日
人は、一人では生きていけない。
仕事だって、一人でできることには限りがある。
人に助けを求めたり、人を巻き込むのも必要なスキルの1つ。
それは分かってはいるけれど、結局、自分で抱え込んでしまっている。そんなことはありませんか?
今回は、そんなとき、ぜひチェックしてほしいツールを2つご紹介します。
自分のネットワークを棚卸しする
1つ目は、こちらです。
基盤を支える人的ネットワークを築く(Test.jp 内「コーチヴィル」より)
何事も「現状」を把握することから始まります。
このツールでは、まず、「現在のネットワークはどのような状態にあるのか」をチェックすることから始めます。
たとえば、次の項目、あなたはいくつチェックがつくでしょうか?
- 私は、大きな問題やトラブルが起こったときに、相談できる人がいる
- 私には、正直に何でも話せる友人がいる
- 私は、100人のネットワークをすぐに書き出すことができる
- 私は、周りの人に、前向きで、かつ建設的なフィードバックを与えたり、受けたりしている
- 私には、ブレーンストーミングの相手となってくれる協力者がいる
- 私は、目標達成のためのサポーターを持っている
- 私は、協調性があり、さまざまなタイプの人とうまくいっている
- 私の人間関係は、安全で安心感のあるものである
- (「基盤を支える人的ネットワークを築く」セルフアセスメントより)
このツールの説明文には、次のような記述があります。
問題解決する方法のひとつは、その問題について、100人ぐらいの人に「あなたはどう思いますか?」と聞いてみることです。驚くことに、5人から10人ぐらい聞いたところで、問題は解決してしまうようです。
問題そのものは消えてはいないのですが、その問題に対する捉え方がシフトしていき、それらの問題はもはや問題ではなくなるからです。
多くの人とコミュニケーションをつくり出すことができるということは、その問題に対して別の視点を持つことができるということです。人はいくつもの視点を持つことができると、おのずと答えを出していくものなのです。
(「基盤を支える人的ネットワークを築く」より)
さて、上記のように、意見を聞ける相手、あなたには何人くらいいますか?
もし、新たにネットワークを広げるなら、どんなスペシャリストとつながりたいですか?
このツールでは、続いて、ブレーンとなってくれる人たちを具体的にリストアップすることを提案しています。
たとえば、「法律に関わる問題を相談できる人」「企画制作がうまい人」「語学に堪能な人」。そういった仕事に関することのほか、趣味や家事など何かに秀でるものを持っている人。さらには「言いたいことを正直に言える相手」や「自分が話しながら頭の中を整理したいときの聞き役になってくれる人」など。
そして、候補者リストができたら、一人ずつ、ブレーンやサポーターになってくれるよう、リクエストすることをこのツールは促します。
サポーターをつくる「仕組み」
さて、ここまで読んで「なるほど!」と思った人も、では実際に「リストをつくるか」「声をかけるか」というと、「また今度」「そのうち」となってしまうのが正直なところではないでしょうか。
確かに、リストアップ作業は面倒ですし根気もいります。それに、人に何か頼むというのは、少し躊躇するものです。
そこで、必要となってくるのが、行動を促し、継続をサポートしてくれる「仕組み」です。
まさに、そんな存在となりうるのがこちらです。
「サポーター100」のリストをつくる(Test.jp 内「コーチヴィル」より)
このツールは、6つの領域(仕事、会計と法務、健康、個人的なサービス、セルフケア、その他)にわたって、「100人のサポーター」をリストアップできるシートです。それぞれの領域で、はじめに具体的な項目がかかれているので、リストアップしやすくなっています。(もちろん、自由記入欄もあります。)
このリストがあれば、自分のネットワークが見える化され、サポーターになって欲しい人への声がけや実際の相談などの行動も自然と促されます。
サポーターを依頼することは依頼されるほうにも役に立つ
さて、いかがでしたでしょうか。
実は、こうして人脈を広げ、他の人の力を頼りにするということは、あなただけでなく、相手の役に立つこともあります。
たとえば、あなたにも、あなたの強みや専門性ゆえに、相談されたり、頼りにされ、実は嬉しかった、という経験はありませんか?
あなたが助けを求めることは、相手に、強みや能力を発揮する場を提供することにもつながるのです。
ネットワークを強化すること、人脈を広げることは、あなたにとっても、相手にとっても可能性を開くチャンスなのです。
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