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バースデイメッセージ

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「常に強く打て」

これは先日、会社の帰りがけに目にとまった夕刊の見出しです。

その記事は、プロテニスコーチのニック・ボロテリーについて書かれたものでした。ニック・ボロテリーは、現在世界一のテニスコーチといわれています。指導した選手は、アンドレ・アガシ、ボリス・ベッカー、モニカ・セレシュ、ウィリアムズ姉妹、そして最近ではマリア・シャラポワなど、枚挙にいとまがありません。

これらのプロテニスプレーヤーの共通点は「ハードヒッター」。彼の指導の原点は常に「ビッグヒッター(強く打つ選手)」を目指せというものです。サーブでもフォアでもひとつずつ強いショットを身につけていけば、それが自信となり、上の段階へ進んでいける。徹底的に強みを伸ばすコーチング。それが、彼の指導の根本だといわれています。

さて、私自身の仕事上の強みを考えてみると、まず一番は、人前で話すこと。今年もコーチングに関する講演や研修を150回以上行っています。

次に、新しいプロジェクトを創り出すこと。これまでに、生涯学習開発財団の後援を得てコーチの資格制度をはじめたり、日本コーチ協会を立ち上げてNPOにしたり、最近ではNTTドコモさんと携帯電話上でのコーチングのEラーニングをはじめたりしています。

コーチ・トゥエンティワンでの私の立場は、副社長です。副社長としての仕事は、社内に対するものと、社外に対するものと大きく二つに分けることができるわけですが、 自分自身の強みがどこで発揮されているかを考えてみると、圧倒的に社外に向けての仕事が思い浮かぶのです。

3年前の誕生日に、私のコーチであり上司である社長の伊藤から、バースデイメッセージをもらいました。そのメッセージは次のような言葉で結ばれています。

「将来、桜井君が、会社の外に出かけて行って、自由に思う存分活躍できるような環境をつくりましょう」

そのころの私はまだ自分の強みについて、今のようにはっきりとは意識していなかったように思います。

私たち日本人は、とかく弱点を克服することに目を向けがちです。もちろん、弱点を克服して、オールラウンドプレーヤーを目指すことは大切なことだと思います。

しかし、時には、徹底的に相手の強みを伸ばす。相手が、自分自身でさえ気づいていない強みにフォーカスし、引き出し、強化していく。

これは、コーチングの基本をなす重要な考え方のひとつだといえるでしょう。

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