コーチング研究所によるさまざまな調査の結果や、データの分析結果をご紹介します。
社員の47%が上司を変えたいと思っている
2017年09月26日
キーワード 直属の上司、エンゲージメント
1. 調査の主旨と概要
1.1. 調査の主旨
本調査結果レポートは「直属の上司についてのアンケート調査」をまとめたものです。本調査では、企業等で働く部下のいる人を対象に、直属の上司にこれからも上司でいて欲しいかなどについて調査しました。
1.2. アンケート調査概要
調査対象:コーチ・エィ発行メールマガジン「WEEKLY GLOBAL COACH」の読者
実施期間:2017年7月5日~2017年7月18日
実施方法:メールマガジンに記載されたURLにアクセスして回答
調査言語:日本語
調査機関:株式会社コーチ・エィ コーチング研究所
1.3. アンケートの回答状況
回答数:272件 無効回答数:20件 有効回答数:252件
1.4. アンケート調査の質問内容
問1. あなたは、今の直属の上司に、これからも上司でいて欲しいですか?
選択肢:違う人に換えて欲しい ↔ これからも自分の上司でいて欲しい(7段階評価)
上記を選択した理由( ) ※任意・自由回答
問2. あなたは、今の会社でこれからも働きたいですか?
選択肢:違う会社に転職したい ↔ これからも同じ会社で働きたい(7段階評価)
上記を選択した理由( ) ※任意・自由回答
問3. あなたが今の会社にいることを選んでいる理由は何ですか?
選択肢の中から、あてはまるものを全てお答えください。(複数回答可)
選択肢:企業理念・事業内容・将来性・社会貢献度・企業ブランド・経営者・上司・同僚・部下・組織風土・成長の機会・給与・勤務地・福利厚生・その他( )
2. 回答者の属性分布 ※注1
3. 質問別集計結果
問1. あなたは、今の直属の上司に、これからも上司でいて欲しいですか?
図1. 1 問1の結果(全体集計)※注1
現在の直属上司について、「7.これからも自分の上司でいて欲しい」を選択した回答者の割合が13%なのに対し、「1.違う人に換えて欲しい」が20%と、明確に意思表示をした回答者で見ると、「違う人に換えて欲しい」と思っている人の割合の方が多かった。
また、回答を大きく2つに分類すると、「これからも自分の上司でいて欲しい」と思っている回答者の割合が50%と半数しかいないことがわかった。
図1.2 問1の結果(役職別集計)※注1
役職別にみると、役職が低くなるほどポジティブな割合が小さくなる傾向があり、一般職では、今の上司がいいと回答した割合が約40%しかいない。
回答の理由として、以下のような内容があげられた。
これからも自分の上司でいて欲しい理由
- 部下に信頼されている。 協力業者に信頼されている。 彼の上司に信頼されている(50代 経営層)
- 現場の理解があり、かつ上位者の方針と現場をつなぐハブ機能が徹底している(50代 課長)
- 話を聞いてくれる部分がある。自分の業務推進をサポートするコメントを積極的に発信してくれている(40代 課長)
- 挑戦する環境を提供することをしてくれている(30代 一般社員)
違う人に換えて欲しい理由
- 責任を取らない。上を見て仕事している。 ウソをつく(50代 課長)
- 話を途中でさえぎったり、話を一方的に打ち切ったりする(50代 課長)
- 単なる管理者に過ぎず、リーダーではないから。自分自身の成長を果たせない(40代 課長)
- 部下に裁量を与えない。周りの意見を聞かず、独善的に判断する(30代 一般社員)
問2. あなたは、今の会社でこれからも働きたいですか?
図2.1 問2の結果(全体集計)※注1
現在働く会社について、「7.これからも同じ会社で働きたい」を選択した回答者の割合が21%、「1.違う会社に転職したい」が8%と、明確に意思表示をした回答者で見ると、「これからも同じ会社で働きたい」と思っている人の割合の方が多かった。
また、回答を大きく2つに分類すると、回答者の58%がポジティブに回答しており、回答者の半数以上が、今の会社で働き続けたいと考えていることがわかった。
図2.2 問2の結果(役職別集計)※注1
役職別に見ると、役職が低くなるほどポジティブの割合が小さくなる傾向があり、一般職になると、今の会社で働き続けたいと思っている割合が半数未満である。
回答の理由として、以下のような内容があげられた。
これからも同じ会社で働きたい理由
- 経営理念に賛同している。優秀な人材が多い(40代 課長)
- 部下を育成し次世代に引き継ぐ使命とやり甲斐があるため(40代 部長)
- 自分の裁量で、今後の会社が変化する可能性があるから(30代 一般社員)
違う会社に転職したい理由
- 社長の経営方針や戦略に「核」「筋」が見えず、リーダーシップ力に疑問がある。 そのリーダーシップ力の不足で、自部門の活動にブレーキがかかることが多い(50代 部長)
- 上長が権限を委譲できないで仲良しグループ化しているため(50代 課長)
- 経営判断の遅さ、甘さ、保身(40代 課長)
- キャリアアップのため。 異なる企業文化も知りたいため(20代 一般社員)
図2.3 問1の結果×問2の結果 ※注1
「問1.直属の上司(今の直属の上司に、これからも上司でいて欲しいですか?)」 と 「問2.会社(今の会社でこれからも働きたいですか?)」についてのそれぞれの回答の間には、緩やかな相関(0.4)が見られた。
実際に問2の自由回答では、違う会社に転職したい理由として 「上司やリーダーの問題」が多く書かれている。
問3. あなたが今の会社にいることを選んでいる理由は何ですか?選択肢の中から、あてはまるものを全てお答えください。(複数回答可)
図3 問3の結果(全体集計)※注1
問3の「現在の会社を選んでいる理由」として、上司は13%と決して多くはないが、上位にある「成長の機会」については、上司の関わりによるところが大きく、相関の理由が伺える結果であった。
また、興味深いことに問1で上司について 「7.これからも自分の上司でいて欲しい」 と回答した34名については、現在の会社にいる理由として、「上司」が3位で47%と、全体平均より圧倒的に多く選ばれた。
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