Data Analysis

コーチング研究所によるさまざまな調査の結果や、データの分析結果をご紹介します。


部下の「目標達成に向けた行動」を促進させる上司

目標についての継続的な対話、組織目標の共有、具体的なフィードバックが鍵

部下の「目標達成に向けた行動」を促進させる上司は、何をしているのでしょうか?

部下に「目標達成しようという強い意志」を持たせるためには、上司は部下との面談で、「評価基準を明確に伝えること」、「評価理由を明確にフィードバックすること」が重要であることは、『目標達成と評価面談(2015)』で紹介しました。

では、さらに、部下の「目標達成に向けた行動」を促進させるためには、上司のどのような関わりが重要なのでしょうか。

今回は、上司と部下の関わりの中で、コーチング研究所が、目標達成の促進に重要だと考える「フィードバック」に着目して調査した結果を紹介します。
調査項目の中から、以下3問の結果をみてみます。

● [行動促進]
上司のフィードバックは、自身の「行動のきっかけ」になりやすいかどうか。
(4段階評価:1.行動のきっかけになりにくい-4.行動のきっかけになりやすい)

● [具体性]
上司のフィードバックは、具体性があるかどうか。
(4段階評価:1.具体性にかける-4.具体性がある)

● 上記の回答を選択した理由(自由記述)

調査の結果、[行動促進]と[具体性]には強い相関関係(0.70)があることがわかりました。具体性のあるフィードバックが目標達成に向けた行動のきっかけになりやすい、という傾向がうかがえます。

つぎに、上司のフィードバックが「行動のきっかけになりやすい」と回答した人<選択肢3,4>と、「行動のきっかけになりにくい」と回答した人<選択肢1,2>で、上司のフィードバックにどのような違いがあるのか、自由記述の結果を分類して特徴を探りました。

表. 上司のフィードバックの特徴
[行動促進]されている人
(上司のフィードバックが行動のきっかけになりやすい)
<選択肢3、4>
[行動促進]されていない人
(上司のフィードバックが行動のきっかけになりにくい)
<選択肢1、2>
  • 上司は、大きな方向性を示す
  • 上司は、現状と求めている状態との差を話す
  • 上司は、短期的な目標に限らず、長期的な目標に対してフィードバックする
  • 上司は、組織目標の共有がない中で、表面的なことを形式的に一方的に話す
  • 上司は、業務内容について知らない(見ていない)
  • 上司と、なぜその目標を設定するのか議論する場がない

表のとおり、上司のフィードバックで[行動促進]されている人は、「上司は大きな方向性を示す」と回答しているのに対し、[行動促進]されていない人は、「組織目標の共有がない」と回答しています。これより、組織目標の共有が部下の行動を促進する要素の1つと言えそうです。

また、目標設定の「議論」や現状と求められる状態の差について「話す」といったキーワードから、上司は部下自身の目標について議論し、目標達成に向けて継続的に対話をすることも重要な要素と示唆されます。

つまり、部下の「目標達成に向けた行動」を促進するには、部下の目標設定や達成に向けて継続的に対話すること。組織目標や方向性の共有。そして、具体的なフィードバックをすることが重要であると考えられます。

部下の「目標達成に向けた行動」を促進させる関わりを、意識してみてはいかがでしょうか。

調査概要

調査対象:コーチ・エィ発行のメールマガジン「WEEKLY GLOBAL COACH」の読者、有効回答数200人
調査期間:2016年1月20日~2016年2月9日
調査方法:ウェブアンケートへの回答
調査内容:目標達成に向けたフィードバックに関するアンケート調査

※営利、非営利、イントラネットを問わず、本記事を許可なく複製、転用、販売など二次利用することを禁じます。

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