Easterlies

Easterliesは、日本語で『偏東風(へんとうふう)』。「風」は、外を歩けばおのずと吹いているものですが、私たちが自ら動き出したときにも、その場に「新しい風」を起こすことができます。私たちはこのタイトルに、「東から風を起こす」という想いを込め、経営やリーダーシップ、マネジメントに関する海外の文献を引用し、3分程度で読めるインサイトをお届けします。


危機的状況下における「言葉のちから」

危機的状況下における「言葉のちから」
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『The covid-19 pandemic will be over by the end of 2021, says Bill Gates』

2020 年8 月に The Economist に掲載されたこの記事は、注目を集めた。

記事の中では、ビル・ゲイツが、なぜ「コロナが終息すると思うのか」を詳細に説明しているが、重要なのは、彼の予測が当たるか当たらないかではなく、彼が発した「コロナは2021 年の末には終息する」という力強い断言が人々を奮い立たせたことではないだろうか。

「2021 年末にコロナを終息させる」 という世界共通のゴールを明確に示すことで、「終息させねば」という意識に働きかけたともとらえられる。

同誌に掲載された別の記事、『企業のリーダーが危機的状況の中で取るべき行動』の中でも、「落ち着いた権威ある、明確なメッセージ」が、いかに重要であるかが、ルーズベルト大統領のスピーチを例に述べられている。

また、COVID-19 に関して Nature Human Behavior に掲載された論文は、世界最先端の保健医療を担うWHO の指標をもとに、今各国の政府が考慮すべきポイントを10 の項目にまとめている。ここでも、変革期において「明確でポジティブな言葉を使用する」ことが、一つの重要な観点として挙げられている。

この3 本の記事から共通して見えてくることは、変革期における「言葉」の影響力を、甘く見てはいけないということである。

人や社会の変革の真髄には「言葉」がある。

特に、この危機的状況において、私たちは日頃無意識に組織の中で使われている「言葉」にアンテナを立て、見直していくべきなのではないだろうか。


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【参考文献】
Katrine Bach Habersaat, Cornelia Betsch, et al., "Ten Considerations for effectively managing the COVID-19 transition", Nature Human Behavior, June, 2020
"The covid-19 pandemic will be over by the end of 2021, says Bill Gates", The Economist,Aug.18th Ed., 2020
"How corporate leaders should act in a crisis", The Economist, Mar. 21st Ed., 2020

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