チーム・組織にコーチングを活かす

コーチングは基本的に「1対1」で行うもの。それがチームの活性化や組織開発にどのように機能・作用するの!?そんなお声にお応えすべく、「チームとコーチング」「組織とコーチング」について扱う記事をまとめました。


未来を共創する経営チームをつくる(1)経営チームをつくるのは、スポーツの首脳陣チームより難しい

未来を共創する経営チームをつくる(1)経営チームをつくるのは、スポーツの首脳陣チームより難しい
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ハイパフォーマー集団だからこそ、チームになるのが実は難しい経営チーム。
組織の成長・変革を牽引する「経営チーム」のつくりかたのヒントを、エグゼクティブコーチがお伝えします。

経営チームをつくるのがいかに難しいか。スポーツの監督やコーチからなる、いわゆる "首脳陣チーム" との比較で考えてみましょう。

話をわかりやすくするために、プロ野球を例にとります。プロ野球のチームの目標は "勝利""優勝"です。当然、首脳陣チームの目標も、勝利と優勝です。その年勝てなければ「選手の育成には成功したんだ!」などと言ってもだめ。負けは負けです。

契約年はありますから、即解雇とはならないこともあるにせよ、毎年毎年、首脳陣チームには結果がはっきりとつきつけられます。勝利という目標が達成できなければ、首脳陣チームは退陣となるのが基本です。首脳陣チームは結果に対して責任を負うわけです。

ラグビーでいえば、ワールドカップでベスト8がゴール。ベスト8に入れば、首脳陣チームは契約継続。入らなければ、総入れ替え。シンプル以外の何物でもありません。

ところが企業は、勝ったのか、負けたのかが、そこまではっきりはしません。もちろん、その年の決算という結果は出ます。しかし、スポーツほど、決算で明解に勝ち負けが判定されるわけではありません。様々な視点から、企業は分析され、評価されます。

そうすると、今年は、勝ったのか、負けたのか、野球ほどはっきりしないことになるわけです。

それが実は "チームになる" ことを難しくしています。まず、何を基準に勝ち負けを判断するかがはっきりしていないということは、要するに全員で目指すものがはっきりしないということです。

そうするとチームとしてのまとまりをつくるのは、当然ながら難しい。スポーツのように「目標は優勝だ。一緒にがんばるぞ!」というように単純にはいきません。

さらには、目指すひとつの指標を全員で共有しているわけではなく、指標がいくつかあるわけですから、ある指標を追っていた役員は認められ、別の指標を追っていた役員は評価されないということが起こります。例えばラグビーなら、試合には負けたけれど、フォワードはがんばった。だから、フォワードのコーチは賞賛されるーーということは基本的にはありません。

一方、企業の場合は "社長が辞めるから、役員も全員辞めます" は、まずありません。

まとめると、経営チームは、スポーツの首脳陣チームのように、メンバー全員でシンプルなゴールを目指しているわけではない。それゆえに、一丸となりにくく、ある人だけが評価されるということが起こる。また場合によってはトップのみに非難が集中する、ということが発生しうる。

一見、一蓮托生のようでいて、実は経営チームは一蓮托生ではない。極端に言えば、呉越同舟のような部分さえあるわけです。

スポーツの首脳陣チームとの対比から考えると、いかに経営チームが "チームになる" ということが難しいかを実感していただけるのではないでしょうか。

〜『未来を共創する経営チームをつくる』第1章より抜粋編集


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