コーチングツール活用講座

部下などに対するコーチングの実践やセルフコーチングに使えるさまざまなツールを紹介するコーナーです。ツールをうまく使いこなして、コーチングをレベルアップさせましょう。


アクティブ・リスニング(1) 「受け身」からの脱却

アクティブ・リスニング(1) 「受け身」からの脱却
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(1) 「受け身」からの脱却
(2) 相手をつかむ聞き方 ~ 耳を傾けるべきは「何」か?

あなたが人の話を聞いているときのことを振り返ってみてください。次の中に思い当たることはありますか。

⬜︎ 次に「自分が何をしゃべろうか」を考えている
⬜︎ 次に「どんな質問をしようか」を考えている
⬜︎ 相手の話で同意できるのはどこで、同意できないのはどこかを考えている
⬜︎ 相手の話からヒントや刺激を受けて、自分のテーマについて考えてしまう
⬜︎ ふと別のことを考えている(聞いているふりをしながら)

あるいは、誰かに話を聞いてもらっているとき、相手が上記のような状態であることに気づいたことはないでしょうか。もしかしたら、「本当に聞いてもらった」という体験をもつ人はあまり多くないかもしれません。

「聞く」というのは能動的な行為

相手の話を「本当に聞く」ためには、まず「ただ聞く」こと。判断せず、解釈せず、ただひたすら聞くことが大事です。こういうと、「聞くこと」とは「受け身」な行為だと思うかもしれませんが、むしろ逆です。

「ただ聞く」というのは、案外難しいもの。能動的に取り組む必要があります。

今回ご紹介するツール「コーチがより深く聞くために使う7つの方法」は、相手の話を本当に「聞く」ための7つのヒントです。

コーチがより深く聞くために使う7つの方法 (Test.jp 内「コーチヴィル」より)

この中から、3つのヒントを紹介します。なお文中の「クライアント」とは、コーチを受ける人、つまり話をする相手を指します。


沈黙する

コーチがより深く聞くために使う7つの方法 その1 沈黙する

  • クライアントが言葉を探しているときは、割って入ったり、言葉をかけたりせずに沈黙します。
  • 沈黙を破るのはクライアントです。真実が見える瞬間です。
  • 返事をする前に一瞬、間を取ります。クライアントは「聞いてもらった」ということを実感するでしょう。

あなたは普段、どのくらい意識的に沈黙を活用しているでしょうか。

戦略的な沈黙は、聞くための重要なスキルでが、気まずさを感じるために、沈黙に耐えられず、ついつい話してしまう人は少なくありません。

沈黙を使ってみようと思うなら、返事をする前に、いつもより少し長く間をとってみてください。

いつもだったら話し出すタイミングで、少しだけ我慢。目安としては5~7秒、話さずに待ってみましょう。いつもとは違う展開になるかもしれません。


クライアントが本当に言いたいことに耳を傾ける

コーチがより深く聞くために使う7つの方法 その2 クライアントが本当に言いたいことに耳を傾ける

  • クライアントの言葉を一言一句聞きます。たとえ語彙が少なくても、クライアントが話そうとしていることに耳を傾けます。
  • 言葉にとらわれすぎずに、トーンや気持ちを聞き取ります。
  • 一見、重要そうに見える部分ではなく、隠れている本当に重要な部分を聞きましょう。

このとき、ヒントとなるのが「特徴的な言葉」と「ノンバーバル」です。

相手が何度も繰り返す言葉、強調する言葉、聞いていて違和感を感じる言葉や印象に残る言葉には、何かが潜んでいます。そうした言葉をキャッチしたら、あなたもその言葉を使いながら話していきましょう。

また、人の気持ちや真意は、内容や言葉以上に、ノンバーバルに表れます。微妙な声のトーンや話すスピードにも意識を向けることで、より多くのことを聞き取ることができます。


うながす

コーチがより深く聞くために使う7つの方法 その7 うながす

  • 「本当ですか?」「もっと聞かせてください」「続けてください」「面白いですね」といったフレーズを使って、クライアントをうながします。
  • 「◯◯について、もっと聞かせてください」と言って、話の核心にクライアントを向かわせましょう。
  • オープンクエスチョンを使って、クライアントに話すきっかけを与えます。

「相手が声に出していること」が「相手が考えていること、感じていること」を100%表しているわけではありません。話を促すことで、さらに多くを聞くことができます。

一概には言えませんが、クローズド・クエスチョン(YES/NOで答える質問)を使うとき、私たちは自分の仮説を確認したり、判断(ジャッジ)しながら聞いていることが多いものです。

意識的にオープン・クエスチョン(WHATやWHYを使った質問)を使うことで、相手の話を促すと同時に、私たちの聞き方を「判断・解釈」から「探求・関心」モードへと促すことができます。

聞く力をトレーニングする

学校や社会において、私たちは「話す」「書く」といったトレーニングをたくさん受けていますが、「聞くこと」のトレーニングを受ける機会はあまりありません。しかし、「聞く」ことは、とても重要で能動的なコミュニケーションであり、また、トレーニングによって向上できるスキルでもあります。

ぜひ、こうしたTIPSやトレーニングを活用して、「能動的に聞くこと」を試してみてください。


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