Coach's VIEW

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対話を先延ばししない

先日ある石油元売会社傘下のサービスステーション(SS)の
店長さんたちにコーチング研修をする機会がありました。

店長さんの一人に、油外商品(オイル交換や、洗車)において
全国トップ、毎月平均で他店の2倍の売上を上げている方がいました。
研修の途中でこのことを知り、その店長さんに前に出てきていただき、
どのようにスタッフを育成しているのかヒアリングしました。

他の店長さんのほとんどが40代の中、彼は26歳です。
髪は茶色に染め、スーツを着てはいましたが、
いかにもたまに着ましたという感じで、あまり体にフィットしていません。
足には白靴下を履いています。どこにでもいそうな今時の若者です。

その彼に質問をしました。

「業績を上げるために一番大事なことは何ですか?」

彼は間髪入れずに答えました。

「コミュニケーションと雰囲気です。」

正直驚きました。売上トップの店長とはいえ、茶髪で白靴下の若者が
そのような言葉を返してくるとは全く予想していませんでした。

一瞬間をおいて、彼に再び質問をしました。
「雰囲気を良くするためにやっていること教えてもらえますか?」

彼は答えました。

「とにかく一歩離れてスタッフの表情をよく見ています。
ほんのちょっとでも、何かいつもと違うなと感じると、すぐにそのスタッフのところに行きます。
『なんかあった?』と聞くときもあれば、
『悩んでるだろ。』ってストレートに言っちゃうときもあります。
いずれにしても、気になることは先延ばししない。その場でなんとかするって決めてます。」

あまりに自信に満ち溢れた言い回しに、私も他の店長さんたちも圧倒されました。

人を動かすことができる人は、決して「対話」を先延ばしにしない。
いつでも向かいあって、自分が相手に対して思っていることを
伝える準備がある。それは年かさが増したからできるというものではなく、
「やると決めた人」がやるんだということを実感しました。

そう言えば、先日のサッカー日本代表のルーマニア戦でも、
キャプテンを務めた中田英寿選手が、自分より年上の選手を大きな声で叱咤していました。

試合の次の日の新聞に載っていた彼のコメント。
「今言っておかないと後で大きな問題になりますから。」

彼も26歳です。

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