Coach's VIEW

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ピアノのコーチ

11月に37歳になりました。
誕生日を記念して、何か新しいことをスタートしたいと思い、
ピアノを始めることに決めました。
「コーチ」は弊社に契約社員として勤めているSさんにお願いすることにしました。

Sさんは音大卒で、普段は何人かの生徒さんにピアノを教えながら、
日中は弊社で働いてくれています。
どちらかと言えばもの静かに淡々と仕事をこなすタイプです。
ピアノの「コーチ」としてもきっと
どこまでも清楚に可憐に教えてくれるのだろうと思っていました。

ところがレッスンを始めてすぐに
その予想が全く外れたことがわかりました。
「コーチ」としての彼女はどこまでもアクティブで、躍動感があって、
そして楽しそうなのです。
教え方もまさに「コーチング」でした。

第一回目のセッション。
彼女はまず、全てこちらに選ばせました。

「何を弾きたいですか?」
「ねこふんじゃった」みたいな基本曲からやるのかと思っていた私は、
少し驚いて
「何でもいいんですか?」
「はい!弾きたいものをおっしゃってください!」

結局「冬のソナタ」の挿入曲「My Memory」を選びました。

譜面を見ていると、

「どこから弾きたいですか?」
「えっ、最初からじゃないんですか?」
「そんなことないですよ。弾きたいところからやりましょう!」

前奏ではなく、いきなりさびの部分から始めました。
まずはちょっと退屈な基礎、それから応用と思っていたわけですが、
いきなりクライマックスがやってきました。
もう気分はペ・ヨンジュン。
どんどん自分のモチベーションが高まっていくのがわかります。

譜面の読み方などでわからないところがあって質問すると、
本当に楽しそうに、にこ にこしながら、
「なんでそう書いてあるんだと思いますか?」
決して答えてはくれません。
「ん~。」
答えられないでいると、
「じゃあ3択にしますね!」
最後の最後までこちらに探り当てさせます。
それがゲームをしているようでとても楽 しい。

答えがあっていたり、ちょっとでも弾けると
「素敵!」
彼女のほめ言葉のバリエーションはこれだけです。
もう頻繁に「素敵!」
本当に楽しそうに、全身を使って「素敵!」
照れくさいような、嬉しいような。
でも繰り返し聞いていると、
がんばってまたその言葉を聞きたいという気持ちが
自分の中に生まれてくるから不思議です。

「これ難しい!」
とこちらが言えば、満面の笑みで間髪入れずに
「簡単です!」

「時間がかかるねこれ。」といえば
「すぐですよ!」
ネガティブな発言はことごとくポジティブな表現に変換されていきます。

セッションが終わったときには、
「今日は楽しかったです!」を本当に楽しそうに連発してくれました。
それを聞くとこちらの楽しさもさらに増幅されます。
30分間のピアノのレッスンは本当にとても楽しいものでした。

私の年代の女性は小さい頃に
ピアノを習っていたという人がとても多いわけですが、、、

「ピアノ? 小さい頃習ったけど、辞めたわ。友達もみんなそうだった。
弾けないと怒るのよね、ピアノの先生。楽しくないのよ。
それでだいたいいやになってやめちゃうのよ。」

Sさんみたいな先生がもっとたくさんいたら、
今頃日本にはピアノの演奏者があふれていたかもしれません。

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